台湾アスーステック・コンピューターは2012年6月6日、コンピューター関連の展示会「COMPUTEX TAIPEI 2012」が開催されている台湾・台北市の郊外にある本社で説明会を開催した。同社が力を入れている製品デザイン、高速インタフェース「Thunderbolt」などに関する同社の取り組みを紹介した。
台北市の中心部から電車に乗って約30分。週末には家族連れなどでにぎわう観光地である淡水(たんすい)の近くに台湾アスーステック・コンピューターの本社ビルはある。まさに郊外という雰囲気で、周囲にはそれほど大きなビルはなく、近代的な外観のアスース本社ビルが特に目立って見える。ここで約3000人が働いているという。朝の時間帯には、多くの従業員がビルの中に入っていく。
説明会の中では、アスースが力を入れているデザイン、Thunderbolt、クラウドサービス、サウンド関連といった取り組みについて紹介があった。特にノートパソコンを開発する上で同社が重視している項目が、外観のデザイン。ユーザーが購入した製品を心地よく楽しみながら使って欲しいという考えがあるという。デザイナーの数は150人。「ASUS Design Center」と呼ばれる専門部署を設置している。
製品デザインは市場調査から始まる。販売する地域で調査を実施し、ユーザーの要望を集める。その結果を参考にしつつ、全体のデザインコンセプト、素材、色などを決定していく。1つの製品を作り上げるまでデザイナーが描くスケッチは1000枚にも達するという。センター内にはリビングやキッチン風のインテリアが配置され、デザイナーが利用シーンを想像しやすい雰囲気を作り上げている。
これまで本体の素材にレザー地を使った製品、竹を使った製品などを投入してきた。最近の製品「ZENBOOK」では天板の金属にあたかも腕時計の文字盤のように中央から放射状に光る処理を施した。今後も画期的なデザインを目指して開発を進めていくという。
Thunderboltについても説明した。Windows用としては初というThunderbolt搭載マザーボードや、従来の一部マザーボードにThunderbolt端子を追加できるアダプターを紹介した。
このほか、同社の無線LANルーターにハードディスクを接続することでスマートフォンなどからデータを参照できるようにするパーソナルクラウドの新サービス、ノートパソコンの音声出力にソフトウエア処理を加えて音質を高める「SonicMaster」技術についても説明があった。