2012年の世界の携帯電話出荷台数は18億台にとどまり、前年比4%増と2009年以来の低成長になる見通し――。こうした市場予測を米IDCが現地時間2012年6月6日に公表した。低成長の理由としてIDCはフィーチャーフォン(従来型携帯電話機)の落ち込みが激しいためと説明している。フィーチャーフォンの出荷台数は前年比10%減となる見込みで、景気の先行きや雇用の不安から人々が買い替えを控えるとしている。

 一方でスマートフォンの出荷台数は前年比38.8%増の6億8600万台に達する見通し。通信事業者による端末代金の割引、平均販売価格の下落、スマートフォンの認知度向上、端末の多様化、データプランの低価格化などが要因という。またIDCは、今後、米Googleの「Android」、米Appleの「iOS」、米Microsoftの「Windows Phone」のスマートフォン市場成長への寄与度が高まってくると見ており、とりわけWindows Phoneのシェアが大きく拡大するとしている。

 それによると、Androidは2016年までの5年間で最も出荷台数が多いが、市場シェアのピークは2012年になる見込み。Androidのシェアは2012年の61%から2016年は52.9%に低下すると予測している。

 iOSは、「iPhone 4S」が北米、西欧、アジア太平洋地域、とくに中国で勢いが増していることから好調に推移するが、成長速度は緩やかになる。iOSのシェアは2012年の20.5%から2016年には19%へと若干低下するという。

 Windows Phoneの2012年におけるシェア(Windows Mobileを含む)は5.2%と出足は鈍い。しかしフィンランドNokiaが強みを持つ主要新興国市場を中心にシェアを伸ばしていく。Windows Phoneのシェアは2016年に19.2%となり、iOSを上回るとIDCは予測している。

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