写真1●FAS2220の外観
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写真2●FAS2220が狙うエントリー市場について説明する篠木隆一郎氏(ネットアップ、マーケティング部チャネルマーケティング担当シニアマネージャー)
写真2●FAS2220が狙うエントリー市場について説明する篠木隆一郎氏(ネットアップ、マーケティング部チャネルマーケティング担当シニアマネージャー)
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 ネットアップは2012年6月6日、同社のストレージの中で最もエントリーに位置する新機種「FAS2220」(写真1)を発表した。Fibre Channel接続を省くなど、上位機種と比べて拡張性を低く抑えることで価格を下げた。6月中旬から販売を開始し、6月下旬から出荷する。参考価格(税別、以下同)は、最小構成(CPUモジュール1台、SATA 1Tバイト×6台)で95万円。開発会社は、米NetApp。

 FAS2220は、中小・中堅企業に向いた、SAN/NAS統合ストレージのエントリー機種である。シンプロビジョニング(容量仮想化)やブロック単位の重複排除など、上位機種が備えるソフトウエア機能の多くを標準で利用できる一方で、拡張性を下げることによって価格を抑えた。2011年11月から販売している既存のエントリー機種「FAS2240-2」(12Tバイトの最小構成で179万円)と比べて、約半分の価格で導入できる。

 上位機種と比べて、最大ストレージ容量(拡張可能なドライブ数)を減らしたほか、サーバーとの接続手段を減らした。具体的な最大ドライブ数は、本体内蔵(12台)と、拡張きょう体(24台)が2台で、合計60台(最大容量は3Tバイト×60で180Tバイト)に限られる。サーバー接続手段は、NAS(CIFS/NFS)とIP-SAN(iSCSI)に限られ、FC-SAN(Fibre Channel)が利用できない。

 新機能も登場した。FAS2220の販売に合わせて、同社のストレージに共通するOSを、新バージョンの「Data ONTAP 8.1.1」に向上させた。この新版OSでは、SSDをHDD(ハードディスク)のキャッシュとして利用する新機能「FlashPool」を追加した。これにより、HDDの数(並列度)を増やすことなく、少数のSSDを追加するだけで、ストレージ全体を高速化できる。FAS2220においても、標準で利用できる。

 FlashPoolは、ILM(階層型ストレージ管理)とは異なり、SSDとHDDが混在したストレージプールを構成できるようにする技術ではない。ストレージプールを構成するのはHDDであり、SSDはHDDのキャッシュとして機能する。