米Googleは現地時間2012年6月5日、モバイル向けオフィススイートアプリケーションを手がける米Quickofficeを買収したと発表した。同買収により企業向けWebアプリケーションサービス「Google Apps」の強化を図る。買収金額などの詳細な条件については明らかにしていない。

 Quickofficeは、モバイル端末上でWord、Excel、PowerPoint文書を作成、表示、編集できるアプリケーションを提供している。スマートフォン用の「Quickoffice Pro」とタブレット端末用の「Quickoffice Pro HD」があり、それぞれ14.99ドルと19.99ドルでiOSとAndroid版を販売している。

 GoogleエンジニアリングディレクターのAlan Warren氏は、「Quickofficeは広く使用されているファイル形式とのシームレスな相互運用性の実現で実績があり、そうした強力な技術をGoogle Appsに取り入れていく」と述べた。Googleは、既存のQuickofficeユーザーをサポートしつつ、よりスムーズかつ直感的な統合体験の提供に取り組むとしている。

 またQuickoffice共同設立者兼最高経営責任者(CEO)のAlan Masarek氏は、「今、われわれはGoogleとともに新たな章を切り開こうとしている。Googleの直感的なサービスの不思議な力とQuickofficeの強力な製品とを組み合わせることにより、いつでもどこでも生産性を高めるという共通のビジョンを拡大できる」と公式ブログに声明を掲載した。

 なお米メディアの報道(PCWorld)によると、モバイル向けオフィススイートに関しては米Microsoftがタブレット版「Microsoft Office」を開発中との噂が囁かれている。WindowsのほかiOSとAndroidにも対応し、リリースは11月以降とみられている。

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