図 違法音楽配信の新対策の仕組み
図 違法音楽配信の新対策の仕組み
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 音楽権利者組織6団体2社(日本レコード協会、日本芸能実演家団体協議会 実演家著作隣接権センター、日本音楽事業者協会、日本音楽出版社協会、日本音楽制作者連盟、ジャパン・ライツ・クリアランス、イーライセンス、日本音楽著作権協会)は2012年6月4日、違法音楽配信の根絶に向けて新たな取り組みを開始したと発表した。

 著作権情報集中処理機構(CDC)が開発した違法音楽ファイルを特定するモジュールの導入を、無料レンタル掲示板サービス事業者などインターネット接続事業者(ISP)に共同で働きかけることで合意し、取り組みを開始した。このモジュールを特定のISPが導入することにより、違法音楽ファイルのアップロード直後にこれを特定し、削除できるようになる(図)。「音楽権利者とISP双方の負担が軽減されることが見込まれる」「このモジュールの導入の推進・拡大が違法音楽配信根絶に向けた大きな前進になるものと期待される」としている。

 音楽権利者組織はこれまでも「プロバイダ責任制限法」にいう侵害情報(違法音楽ファイル)の送信防止をISPに求める対策(いわゆるノーティスアンドテイクダウン)など、様々な対策を講じている。しかし、この対策は侵害を受けている音楽権利者がネットワーク上の違法音楽ファイルを個別に特定して該当するISPに通知して削除を依頼する送信防止措置手続きを必要とし、「違法音楽ファイルがアップロードされてからの事後的な対策とならざるを得ないため違法音楽配信の根絶にはつながっていないのが実情」という。

 一方でここ数年、携帯向けの無料レンタル掲示板サービス事業者など特定のISPのサービス上で違法音楽配信が顕著になっている。「一部の無料レンタル掲示板サービス事業者は、自社のサービス上の違法行為の氾濫に危機感を募らせている」という。

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