写真●Arduino向けの3Gシールド(IEM版)。写真中央にある青色の大きな基板がArduino本体で、その上手前側に乗っている緑色の基板が3Gシールド。液晶モジュールなどで隠れていて見えないが、SIMカードも挿してある
写真●Arduino向けの3Gシールド(IEM版)。写真中央にある青色の大きな基板がArduino本体で、その上手前側に乗っている緑色の基板が3Gシールド。液晶モジュールなどで隠れていて見えないが、SIMカードも挿してある
[画像のクリックで拡大表示]

 2012年5月30日から6月1日にかけ、東京ビッグサイトで開催された展示会「ワイヤレスジャパン 2012」のインターネットイニシアティブ(IIJ)ブースにて、業界団体「3Gシールドアライアンス」が「Arduino」(アルドゥイーノ)向け3G通信モジュール(写真)を参考出品。多くの来場客が足を止めて熱心にデモに見入った。

 Arduinoは、ハードウエアの試作や教育分野などで高い人気を誇る、オープンソースの組み込み向けハードウエアである。「シールド」と呼ぶ拡張モジュールによって通信機能を簡単に追加できるようになっている。

 Arduino向けには既にイーサネットやZigBeeに対応したシールドなどが市販されているが、今回これらに3G通信機能を備えた「3Gシールド」が加わることになる。米クアルコム製の3G通信用モジュールを搭載した「IEM」(Internet of Everything Module)版3Gシールドと、3G通信に対応したUSBドングルを接続して利用するUSB版3Gシールドの2種類のモジュールを用意。気になる発売時期については、「夏をメドにまずIEM版を市販できるように動いている」(タブレインの高本孝頼代表取締役)という。

 IIJのブース内で実施していたデモは、温度センサーおよび光センサーから得られたデータをZigBee対応シールド経由でArduinoに集め、集めたデータを3Gシールドを使ってクラウドに送信、クラウドに接続したパソコンでデータをダウンロードしグラフを表示するというもの。高本氏によれば、既にモジュールの基本部分は完成している。現在は、どの通信事業者のSIMカードを利用できるようにするかなどを調整している段階だという。