写真1●透過型ディスプレイを搭載した「透けるスマートフォン」
写真1●透過型ディスプレイを搭載した「透けるスマートフォン」
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写真2●ソーラーパネルとバッテリーを組み合わせた「グリーン基地局」の展示
写真2●ソーラーパネルとバッテリーを組み合わせた「グリーン基地局」の展示
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写真3●AR(拡張現実)技術を使った「3Dライブコミュニケーションシステム」の体験デモ
写真3●AR(拡張現実)技術を使った「3Dライブコミュニケーションシステム」の体験デモ
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写真4●ディスプレイ機器とスマートフォンをBluetoothやWi-Fiで接続して情報通知に利用する「気づきを促すディスプレイ機器とケータイの連携」技術のデモ
写真4●ディスプレイ機器とスマートフォンをBluetoothやWi-Fiで接続して情報通知に利用する「気づきを促すディスプレイ機器とケータイの連携」技術のデモ
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 2012年5月30日から6月1日まで、無線通信関連の展示会「ワイヤレスジャパン 2012」が東京ビッグサイトで開催された。NTTドコモのブースでは、透過型液晶ディスプレイを搭載した「背景が透けて見えるスマートフォン」や電力供給に太陽電池を利用する「グリーン基地局」など興味深い技術がいくつも参考出展されており、人だかりができるほどのにぎわいを見せていた。

 背景が透けて見えるスマートフォン(写真1)は、透過型液晶ディスプレイの表裏両面にタッチパネルを供えており、それぞれ別々のタッチ操作を割り当てられるほか、「2本の指でディスプレイに表示されたオブジェクトを挟んで動かす」といった従来のスマートフォンにはない特殊な操作も可能だという。

 グリーン基地局は、ソーラーパネルとバッテリー(リチウムイオン蓄電池)を組み合わせることにより、必要な電力を太陽光のエネルギーだけでまかなえるようにしようという“エコ”な携帯電話基地局。現在はYRP(横須賀リサーチパーク)内にある同社の研究所に設置した試作装置を使ってフィールド試験を実施している最中だという。ブース内では10分の1サイズの模型(モック)を展示したほか、テスト中のグリーン基地局の電力使用状況を遠隔監視するデモなどを披露していた(写真2)。

 同社ブース内で、特に多くの来場者が足を止めて見入っていたのが、AR(拡張現実)技術を使った「3Dライブコミュニケーションシステム」の体験デモである(写真3)。ユーザー同士の会話内容をクラウドで解析し、「行ってみたい場所」や「興味を持っている物」などの映像を話者が写っている画面内にリアルタイムに表示するというもので、そう遠くない将来登場するであろう新しいビデオチャットサービスの姿を予感させる楽しいデモとなっていた。

 「気づきを促すディスプレイ機器とケータイの連携」も記者の目を引いた展示の一つ(写真4)。テレビやパソコンのモニター、デジタルサイネージなど身の回りにあるディスプレイ機器と携帯電話やスマートフォンをBluetoothあるいはWi-Fiで接続し、電話やメールの着信、あるいは割引クーポンなど様々な情報をディスプレイ機器に表示してユーザーに“気づき”を与えられるようにする技術である。

 同技術を使えば、例えば電車などで移動しながらノートパソコンで原稿を執筆しているときに、カバンやポケットから一々スマートフォンを取り出してチェックする必要がなくなる。記者はすぐにでも使いたいほど魅力を感じたため、実用化の時期などについて会場で尋ねてみたところ、残念ながら「参考展示であり、実用化するかどうかや時期などは未定」(NTTドコモ)との回答だった。