写真1●FutureNet NXR-350/Cの外観
写真1●FutureNet NXR-350/Cの外観
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 センチュリー・システムズは2012年6月1日、5つのギガビットポートを備えた中規模拠点向けのVPNルーター機器「FutureNet NXR-350/C」(写真1)を発表した。2012年6月中旬に出荷する。弁当箱サイズの小型きょう体を採用した機種の中で上位機に位置し、既存機種と比べて性能を3~4倍に高めた。価格はオープンだが、推定価格は20万円前後。

 FutureNet NXR-350/Cは、拠点においてインターネット接続回線を収容するエッジ用途向けのルーター機器である。汎用のルーター機器として利用できるほか、ブロードバンド回線の利用(PPPoE接続)や、USBポートを介した携帯電話インターネット接続などができる。拠点のネットワーク同士を安全につなぐためのVPN機能(IPsec、L2TP)を備える。

 企業向けのルーター機器に求められる基本的な機能を、一通り備える。ルーティングテーブルの設定には、スタティック、RIP、OSPF、BGP4を利用できる。管理や設定変更は、Web画面のほかに、CLI(コマンドラインインタフェース)を用意している(Telnet/ssh接続または管理用シリアルポート接続)。オプションで、設定内容を保存するためのSDカードスロットを内蔵できる。

 ネットワークインタフェースは、ギガビットイーサネットを5系統備える。このうち4つは単独の物理ポートに割り当てられており、残りの1つは4ポートのスイッチングハブになっている。対応VLANは、製品発表時点ではタグVLAN(IEEE801.1Q)に限られるが、今後の予定としてポートVLANを使えるようにする。

 きょう体は弁当箱サイズで、幅210.0×奥行295.5×高さ41.0mm。重さは約1.8kg。ラックマウントキットを使えば、1Uの高さに収容可能。同社のVPNルーターのハイエンド機種は1Uラックマウント型の「FutureNet NXR-1200」だが、弁当箱サイズの製品の中では今回のFutureNet NXR-350/Cがハイエンドとなる。

 性能は、ネットワーク間のIP通信が約987Mビット/秒(片方向)および約1.9Gビット/秒(双方向)。IPsec接続時が約487Mビット/秒。L2TP接続時が約962Mビット/秒。この性能は、弁当箱サイズの既存製品のハイエンド機種「FutureNet NXR-230/C」と比べて、3~4倍の性能に当たる。