写真●NTTコムの海外展開強化に向けた取り組み
写真●NTTコムの海外展開強化に向けた取り組み
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 NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は2012年6月1日、英国のデータセンター運営会社「Gyron Internet」を買収したと発表した。5月31日付で85%の株式を取得することで合意し、取得価額は50億円強とみられる。既に払い込みを完了しているという。

 Gyronは2000年設立で、ロンドン近郊に1カ所のデータセンター(サーバールーム面積で約750平方メートル)を保有する。それ以外に2カ所のデータセンター(サーバールーム面積で約2950平方メートル)を新たに建設中で、2012年末から順次、サービスインする予定。米Adobe Systemsや米Symantec、音楽配信大手の英Spotifyなどの優良顧客を抱える。今回の買収でNTTコムが保有するデータセンターは129カ所(国内外、稼働予定を除く)、サーバールーム面積は約14万4000平方メートルになる。

 NTTグループは企業向けクラウドで海外事業を拡大する方針を打ち出しており、2010年には南アフリカを本拠地とする英Dimension Data Holdingsや、米Keane Internationalを相次ぎ買収した。NTTコムはクラウドの基盤となるデータセンターをはじめ、各センターを高速につなぐバックボーンや光海底ケーブルなどで海外展開を強化(写真)しており、2010年度に約1390億円の海外連結売上高を2015年度に2倍以上とする計画を掲げる。