写真●NECの高精度画像認識サービス「GAZIRU」(ガジル)
写真●NECの高精度画像認識サービス「GAZIRU」(ガジル)
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 2012年5月30日から6月1日までの3日間、東京ビッグサイトで開催されているモバイル通信関連の展示会イベント「ワイヤレスジャパン 2012」のNECブースでは、“対象物の特徴情報”に基づいて様々な物体を高精度に識別できるというユニークな画像認識サービス「GAZIRU」(ガジル)をデモしている(写真)。

 GAZIRUは、スマートフォンのカメラなどで撮影した写真データをNECが独自に開発した画像認識エンジンによって解析し、写っている物体が何かを特定するサービス。特定した物体をローカルのデータベースやインターネット上の情報/サービスなどとひも付けることで、例えば「名前が分からないものを画像を手がかりに調べられる検索サービス」や「文字入力ができない端末の検索機能」、「商品販売サイトへの誘導やサービス連携」などの用途が考えられるという。

 同サービスは、「自動車の特定車種」のように形が明確に決まっている物体だけでなく、「木などの自然物」や「絵皿に盛り付けられた料理」といった従来認識させるのが難しかった“不定形の物体”も高精度に認識できることを売りとしている。不定形物の高精度認識は、画像そのものを単純に比較するのではなく、画像から抽出した「特徴情報」を比較することで実現しているという。「例えばパスタなら、様々なパスタの写真を提示することで、“皿の柄は関係ない”といったことをエンジンに学習させる」(NEC)。

 このような仕組みのため、エンジンに対して事前にどれくらい識別に必要な情報をインプットした「辞書」を作れるかが同サービスの認識精度を高める鍵を握ることになる。だが、実際にどこまで高めるかはユーザーのニーズ次第だという。「システム構成などについても同様で、認識精度を高めたいときはNECのクラウド上にある専用エンジンを利用することになるが、対象物の種類がかなり限定されるようなケースでは、エンジンと辞書をスマートフォン側に持たせることも可能になっている」(NEC)と柔軟性の高さをアピールしていた。