写真●パイオニア販売のブースで展示されていた「IP無線機」(開発・製造元はモバイルクリエイト) 写真で紹介しているテンキー付きハンドセットモデルは新製品で、6月に発売予定だという。
写真●パイオニア販売のブースで展示されていた「IP無線機」(開発・製造元はモバイルクリエイト) 写真で紹介しているテンキー付きハンドセットモデルは新製品で、6月に発売予定だという。
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 2012年5月30日から6月1日までの3日間、モバイル通信関連の展示会イベント「ワイヤレスジャパン 2012」が東京ビッグサイトで開催されている。展示ホール内では「商用車テレマティクス&運行管理システムEXPO」というイベントも併催。同イベントに出展しているパイオニア販売のブースでは、「IP無線機」という耳慣れない名称の機器を展示しており(写真)、来場者がブース前で足を止めては説明員の話に耳を傾けるという姿がしばしば見受けられた。

 「IP無線機」とはいったい何か。担当者に詳しく説明を聞いてみたところ、「3G回線(現状はNTTドコモのFOMAパケット通信網を利用)を使ってIPパケット化した音声をやりとりすることで、従来の業務用MCA無線と同様の仕組みを実現するシステム」という答えが返ってきた。機器の開発・製造元であるモバイルクリエイトでは、同システムに対して「Voice Packet Tranceiver」という名称を付けている。

 IP無線機の操作はとても簡単だ。ハンドセットを手に取ってボタンを押しながらしゃべるだけ。これで相手と交互に音声メッセージをやりとりできる。いわゆる半2重通信である。ハンドセット上のテンキーを使って数字を入力することで、特定の相手との通話だけでなくグループ内でのメッセージ交換や指令局からの一斉指示伝達なども実行可能。こうした基本的な操作方法だけでなく、機器の見た目やサイズなども従来のMCA無線機器に合わせてある。そのため、「既存のMCA無線ユーザーは機器を置き換える形ですぐに違和感無く導入し、利用できる」という。