ソフトバンクモバイルが5月29日に発表した夏モデルの中で(関連記事)、目を引くのが「世界初」をうたう放射線量測定機能を備えたAndroid 4.0スマートフォン「PANTONE 5 107SH」だ(写真1)。外装などはこれまでフィーチャーフォンで展開していたPANTONEシリーズを踏襲。幅広いユーザー層を対象にした普及モデルに位置付けられる製品である。放射線測定機能については、ターゲットユーザーとして想定する子供を持つ主婦層などのニーズを満たすものだとしている。利用シーンとして孫正義代表取締役社長は、「子供の通学路などの状況を個人的に把握する」といった使い方を説明する。
同機能を実現するために、同社では放射線センサーの小型化、省電力化に取り組んだという(写真2、写真3)。検出素子はシリコン半導体である。空間中のガンマ線を0.05μSv/h~9.99μSv/h(毎時マイクロシーベルト)の範囲で測定できるとしている。測定方法として、例えば地面を測定する場合は、同機を測定対象から1mの位置に水平に持って測定することを推奨している。
測定には専用の「放射線測定」アプリを利用する(写真4)。約2分間で測定結果が出るという(写真5)。測定結果は地図にプロットすることもできる。なお、写真はいずれもデモアプリでの動作であり、地図や測定値はダミーである。また、測定結果を外部のアプリケーションなどが取得することはできないという。これは測定方法が原則個々人に任された状態で、測定結果だけが独り歩きすることを防ぐ狙いがある。測定結果はあくまでも個人が参考のために利用することが前提となっている。
放射線測定アプリの起動は、アイコンをクリックするか(写真6)、もしくは本体前面右下にある円形のハードウエアボタンを押す(写真1を参照)。ハードウエアボタンを長押しすることで、アプリを起動して測定を開始する。このボタン自体は放射線測定アプリ専用ではない。初期状態では放射線測定アプリの起動に割り当てられているが、「設定」から割り当てを変えることが可能になるという(写真7は開発中の設定画面)。