オムロンは2012年5月28日、手の動きを認識する「ハンドジェスチャー認識技術」を開発したと発表した。手または指の位置や形状、動きを同時に認識する。テレビやパソコンなどの機器を手振りで操作する、といった用途に使えるという。
グー、チョキ、パーなどの手の形や、指で何かを指している様子、指を上下左右に動かす動作などを認識できる。例えばデジタルカメラに搭載し、被写体がピースサインをしていることを認識したら自動的にシャッターを押す、といった使い方が可能だ。指をマウスのように使って画面上のメニューを選ぶ、電子書籍リーダーで画面に触れずにページめくりをするなどの用途も想定する。
認識可能な距離は、カメラまで10センチ程度~数メートルと幅広い。スマートフォンやタブレット端末でも軽快に動作するという。市販のWebカメラなどで撮影した映像でも認識できる。
同様の技術は他社も開発している。同社の強みは、顔検出や顔認証、笑顔推定などの機能を持つ顔認識技術「OKAO Vision」を保有していること。これらとハンドジェスチャー認識技術を組み合わせることで、他社にない特徴を出せるとする。
例えば、ユーザーが顔を機器に向けたら、操作しようとしているのだろうと推測し、自動的にハンドジェスチャー認識を開始するといったことが可能だ。このように「人の意図を理解する」(エレクトロニック&メカニカルコンポーネンツビジネスカンパニー AOC事業推進部 大前浩一推進部長)ことを強みに、多様な機器への搭載を狙う。