米Cisco Systemsは現地時間2012年5月24日、企業向け通信およびコミュニケーション用タブレット型デバイス「Cisco Cius」に今後投資しないことを決定したと発表した。

 CiscoはCiusの開発打ち切りを決めた主な背景の1つとして、従業員が私物デバイスを仕事に使用する「BYOD(Bring Your Own Device)」の普及を挙げた。Ciscoの調査によると、95%の企業がBYODを容認し、36%は個人所有のデバイスをフルサポートしている。こうした統計データは、人々が職場や自宅、外出先で仕事をする方法の大きな変化を明示し、この変化は今後も勢いを増すとCiscoは見ている。

 Ciscoは、個人のより安全かつ効率的なコラボレーションを支援することに焦点を当て、場所や使用デバイス、優先条件に応じて選べるコラボレーションの広範な手段を提供するとしている。

 Ciusは米Googleのモバイルプラットフォーム「Android」を採用し、7インチのタッチスクリーンを搭載する。ビジネス用途のコミュニケーションおよびコラボレーション機能を備え、HDビデオ通話、テレビ会議、電子メールやメッセージ送受信、Webブラウジングなどに利用できる。ローカルあるいはクラウドコンピューティング環境に保存したコンテンツの作成や編集、共有が行える。2011年7月に世界に向けて発売した(関連記事:Cisco、企業向けタブレット「Cius」を7月31日世界発売)。

 Ciscoは今後、Ciusの開発およびアップデートは行わない。しかし市場を調査する目的で、特定のニーズや使用事例を持つ顧客に対して限定的な提供は続けるという。

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