写真1●ナイス・インタラクション・マネジメントR4.1の画面(電話対応者への指示を自動的にポップアップしている)
写真1●ナイス・インタラクション・マネジメントR4.1の画面(電話対応者への指示を自動的にポップアップしている)
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 アイティフォーは2012年5月24日、音声認識機能を備えたコールセンター向け通話録音ソフトの新版「ナイス・インタラクション・マネジメントR4.1」(写真1)を販売開始した。新版では、通話中の電話対応者に対して自動的に指示を出せるようにしたほか、電話対応者の意思で録音を中断/再開できるようにした。ライセンス価格は、100席のコールセンターの場合で1000万円(税込み)から。開発会社はイスラエルのNICE Systems。

 ナイス・インタラクション・マネジメントは、音声認識機能を活用した、コールセンター向けの通話録音ソフトである。録音済みのデータから指定したキーワードを含む通話内容を抽出したり、キーワードが現れた時の録音データや電話対応者のパソコン操作を再現したり、録音データの波形の変化から顧客の感情を抽出したりすることができる。

 内部統制上好ましくないキーワードの例として、例えば、決算発表資料の準備期間中における「増収」や「減益」などの言葉がある。これらを含んだ電話対応を再現できる。また、「支払い」や「遅延」というキーワードが登場した場合は、顧客に対して延滞金の請求処理を実行しなければならない場合が多い。ここで、パソコン操作を再現して、延滞金の請求処理などの操作を実施したかどうかを調べられる。

 新版では、通話中にリアルタイムに音声認識できるようにした。キーワードを検知したことをトリガーに、検知したキーワードに応じて、電話対応者に指示画面をポップアップできるようにした。例えば、保険会社が顧客から住所変更を伝えられた場合に、自動的にポップアップで指示を出す。この例では、「引っ越し理由」を質問し、「子供が生まれて手狭になった」という回答を得た場合は「学資保険」を勧める、といった指示ができる。

 新版ではまた、録音すべきでない情報を録音せずに済むように、電話対応者が自分の意思で、録音を中断/再開できるようにした。これにより、例えば「クレジットカード番号が一旦録音されてしまう」といった事故を回避できる。これまでは、録音済みのデータからクレジットカード番号を含むデータを消去する、といった運用しかできなかった。今回、そもそも最初から記録しない、という選択肢を追加した。