写真1●BIG-IP ver11.2が動作する負荷分散装置の一機種「BIG-IP 11000」の外観
写真1●BIG-IP ver11.2が動作する負荷分散装置の一機種「BIG-IP 11000」の外観
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 F5ネットワークスは2012年5月23日、同社のWeb高速化/負荷分散装置「BIG-IP」(写真1)用OSの新版「BIG-IP ver11.2」を発表した。新版では、SPDYとHTTPの変換ゲートウエイ機能を追加した。既存のWebサーバー(HTTP)をそのまま使いつつ、Webブラウザーとの間でSPDYを使えるようにした。2012年6月下旬に提供開始する。BIG-IPの保守契約ユーザーは、無償で新版にアップグレードできる。

 今回の機能追加により、負荷分散装置のBIG-IPが、SPDY-HTTP変換ゲートウエイになる。BIG-IPとSPDY対応Webブラウザーとの通信はSPDYで行い、BIG-IPとWebアプリケーションサーバーとの通信はHTTPで行うことができる。これにより、HTTPしか使えない既存のWebアプリケーションをSPDYに対応させることなく、Webシステム全体をSPDYに対応させられる。

 SPDYとは、米Googleが2010年に発表したHTTP拡張プロトコルで、素のHTTPと比べてWebアクセスを高速化する。HTTPと比べた主な特徴は、1つのコネクションで複数のリクエストを投げられることや、リクエストに優先度を指定できること、WebサーバーからWebクライアントに対して情報をプッシュできること、ヘッダー情報を標準でデータ圧縮すること、など。