写真1●CIC 4.0の画面(オペレーター向け)
写真1●CIC 4.0の画面(オペレーター向け)
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写真2●米インタラクティブ・インテリジェンス(米Interactive Intelligence)の日本支社長を務めるマーティン・キース(Martin Keith)氏
写真2●米インタラクティブ・インテリジェンス(米Interactive Intelligence)の日本支社長を務めるマーティン・キース(Martin Keith)氏
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 米インタラクティブ・インテリジェンス(ININ)の日本支社は2012年5月23日、コンタクトセンター業務ソフトの新版「CIC 4.0」(写真1)を出荷した。新版では、ソフトウエア構成を改善して性能を拡張しやすくしたほか、ユーザーインタフェースを改善して担当者間の業務フローをスムーズにした。

 CICは、コンタクトセンターの運営に必要な機能をオールインワンで提供するソフトである。IP電話機能(SIPサーバー)のほかに、空いているオペレーターに電話を割り振る自動呼分配、自動音声応答、通話の録音、スーパーバイザー(オペレーターにアドバイスをする担当者)とのワークフロー、業務レポートの生成、といった機能を提供する。

 IP電話に関わる部分で別途必要になる要素は、SIPクライアント(IP電話機や、SIPクライアントソフト)と、電話回線を収容するゲートウエイである。CICのユーザーインタフェース(クライアントソフト)にはSIPクライアント機能が含まれていないので、別途、ユーザーごとにSIPクライアントが必要になる。

 今回の新版では、ソフトウエアのアーキテクチャを変更して容易に性能を拡張できるようにした。そのほか、ユーザーインタフェースを改善して担当者間でのワークフローを改善するなど、使い勝手を高めた。

性能拡張を容易に、業務ワークフローを改善

 CICのソフトウエアは、コンタクトセンター業務のアプリケーションモジュールと、音声制御モジュールの二つで構成する。ところが、従来版では、アプリケーションモジュールと音声制御モジュールが密接につながっており、同一のPCサーバー上で動作させる必要があった。

 新版では、アプリケーションモジュールと音声制御モジュールを互いに独立させ、異なるPCサーバーで動作させられるようにした。これら二つのモジュールは、いずれも複数台のPCサーバーを使って負荷分散できる。これにより、音声制御のPCサーバー台数を拡張して音声制御の性能だけを高める、といったシステム拡張が可能になった。

 ユーザーインタフェースも改善した。これにより、オペレーターとスーパーバイザーの間の意思の伝達が容易になった。スーパーバイザー向けのユーザーインタフェースも、従来の二つの画面から一つの画面へと統合した。また、電話を受けてから切れるまでのイベントを、時系列で表示できるようにした。

「ありがとう」などの音声を認識してオペレーターを自動評価

 新版では、アドオン機能も二つ増やした。一つは、音声認識機能である。「ありがとう」と言われたオペレーターのスコア(評価)を自動的に高める、といった運用が可能になる。もう一つは、モバイル端末用のアプリケーション開発フレームワークである。iOS/Android/Windows 8など各種プラットフォーム向けに提供する。これら新規アドオンは、これから日本語化して出荷する。

 CICの提供形態は、ソフトウエア製品とSaaSの二つ。ソフトウエアライセンスの価格はオープンで、国内販売代理店は、2012年5月23日現在、伊藤忠テクノソリューションズ、岩崎通信機、JALインフォテック、スターシステムズ、豊通シスコム---の5社である。

 国内販売代理店の一社である伊藤忠テクノソリューションズによる価格(税別)は、コンタクトセンター用途の場合、以下の通りである。サーバーライセンスは、アプリケーションモジュールの最小機能構成が198万8000円で、冗長構成ライセンスが53万2500円。チャネルライセンスは、電話回線1チャネル当たり7万4600円。音声制御モジュールは、35万5000円から。オペレーターのユーザーライセンスは、指名1ユーザー11万5100円または同時使用1ユーザー17万2600円。このほか、利用する機能によって、通話録音ライセンスやスーパーバイザー用ライセンスなどが必要になる。

 一方、SaaSは、代理店経由の販売のほかに、米インタラクティブ・インテリジェンスの日本支社が直販でも提供している。直販での利用料金は、1カ月1席当たり1万2000円(税別)から。