米Googleは現地時間2012年5月22日、米Motorola Mobility Holdingsの買収手続きを完了したと発表した。買収額は1株当たり40ドルで、取引は現金で行われた。Googleは同買収により、モバイルコンピューティングにおける競争力の強化を図るとしている。

 GoogleはMotorola Mobilityを独立事業として運営する。Motorola Mobilityは引き続きAndroidライセンシーの1社としてAndroid端末開発を手がけ、Androidは今後もオープンなプラットフォームとして提供する。

 Motorola Mobility最高経営責任者(CEO)のSanjay Jha氏は辞任し、同買収計画を統率してきたDennis Woodside氏が後任に就いた。Woodside氏はこれまでGoogle米大陸地域担当プレジデントを務め、3年間で米国の売上高を108億ドルから175億ドルに押し上げた。

 Woodside氏は、「我々の目的はシンプルだ。Motorola Mobilityの非凡な才能を、より的を絞ったより重要なプロジェクトに集中させ、世界中の人々に使われる素晴らしいデバイスを創造することだ」と述べている。

 複数の米メディア(InfoWorldForbesなど)は、Motorola Mobilityの特許ポートフォリオがAndroidに対する特許侵害訴訟の防御として役に立つだろうと指摘している。

 Googleは2011年8月15日に、Motorola Mobilityを総額約125億ドルで買収することで両社が最終合意したことを発表した。同年11月にMotorola Mobility株主総会の投票で約99%の賛同を獲得。2012年2月に米司法省(DOJ)と欧州委員会(EC)からの承認を受け、5月19日に中国独禁当局の承認を得た。中国当局はGoogleが中国端末メーカーに対しても、Motorola Mobilityなどと同様にAndroidをライセンス供与することを条件に買収を認めた(関連記事:GoogleによるMotorola Mobilityの買収、中国当局が条件付きで承認、海外メディア報道)。

 なおGoogleはMotorola Mobility経営幹部のメンバーとして、米国防省の国防高等研究事業局(DARPA)出身のRegina Dugan氏、米Amazon.comやフィンランドNokiaでサプライチェーン担当バイスプレジデントを務めた経験のあるMark Randall氏、元Googleコンシューマーマーケティング担当バイスプレジデントのGary Briggs氏、元米NVIDIA人事責任者のScott Sullivan氏などを任命している。

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