自動車にカメラをかざし、車種を特定しているところ。1車種につき、さまざまな角度から撮った写真100枚を事前に登録しておき、認識を可能にしている
自動車にカメラをかざし、車種を特定しているところ。1車種につき、さまざまな角度から撮った写真100枚を事前に登録しておき、認識を可能にしている
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マンションを撮影して空き部屋を調べるといった使い方もできる
マンションを撮影して空き部屋を調べるといった使い方もできる
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 NECは2012年5月22日、スマートフォンなどの携帯端末のカメラを利用した画像認識サービスを発表した。撮影した画像を解析し、何が映っているのかを特定する。例えばユーザーが撮影した食品の画像を基に、食品名や原材料、レシピなどの情報を表示するといった使い方ができる。製造業、流通業、農業、観光業などさまざまな業種の企業に向けて販売する。発売は2012年6月1日。

 システムには、認識させたい商品などの画像をあらかじめ登録しておく。これと、ユーザーが撮影した画像を照合する。ユーザーから写真が送られてくると、それをサーバー上で解析し、認識結果を返す。サーバーを介さず、携帯端末上のアプリで画像を認識できるアプリも用意した。この場合は、対象物にカメラをかざすだけで認識される。

 写っている商品を特定して販売サイトに誘導する、マンションを特定して空き部屋の情報を提示するなど、さまざまな用途を想定する。動いているものの特定も可能で、ユーザーが走行中の自動車を撮影して認識を実行すると、車種や年式、購入可能な近くの中古自動車店を案内するといった使い方もできる。

 同社が50年ほどにわたって取り組んできた画像認識技術を活用。顔認識や指紋認証など、画像認識はこれまで専用の装置を必要としてきたが、今回、スマートフォンで利用できるようにした。その品質は「世界一、高速で高精度」(キャリアサービス事業本部 第三キャリアサービス事業部長の大槻隆氏)と胸を張る。精度は認識対象などによって異なるが、企業がシステムに導入する際には「7~8割は確保できるように構築する」(同社)。精度を向上させるには対象物に関するさまざまな画像を登録しておく必要があり、一つの対象物当たり100枚程度の画像が必要という。

 サービスの利用価格は、1カ月当たり48万円から。登録する画像の数などによって価格は変動する。