写真1●透過ディスプレイを採用したスマートフォン
写真1●透過ディスプレイを採用したスマートフォン
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 NTTドコモは2012年5月21日、5月30日から6月1日まで、東京ビッグサイトで開催される「WIRELESS JAPAN 2012」に出展する製品や技術を公開した。透過ディスプレイの両面にタッチパネルを搭載したスマートフォンや、3Dライブコミュニケーションシステムなどが注目を集めそうだ。

 透過ディスプレイを採用したスマートフォンは、表面と裏面にタッチパネルを搭載することで両面から操作できるようにしたのが特長(写真1)。例えば片手操作の場合、Androidの通知バーはディスプレイ最上部にあるので親指が届きにくいが、裏面を使えば端末を支える人差し指で簡単に表示できるようになる。表面でアイコンをつかみながら、裏面でホーム画面を横スクロールしてアイコンの位置を変えるといった操作も可能。

写真2●ルービックキューブの試作アプリ
写真2●ルービックキューブの試作アプリ
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 背面タッチのイベントを取得するAPIを追加すれば背面操作アプリを開発できる。デモ用にルービックキューブの試作アプリも開発(写真2)。表面でキューブの見える角度を変更し、背面タッチでキューブを固定すると面が回る例を披露した。裏と表ではさむ操作など様々な使い方が考えられ、ドコモは誤動作防止にも役立つとみている。課題はディスプレイの見やすさ。輝度や解像度は現行機種に比べてどうしても劣るという。

写真3●パソコンに未読メールを通知する例
写真3●パソコンに未読メールを通知する例
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写真4●デジタルサイネージにクーポンを表示する例
写真4●デジタルサイネージにクーポンを表示する例
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 3Dライブコミュニケーションでは、離れた二人がタブレットを使ってテーマパークなどを仮想体験したり、会話中の話題に関連した画像などを画面で共有したりできる例を紹介する。AR(拡張現実)技術を活用して相手の画像を重ねて表示できるほか、端末の向きを変えて表示角度を変えることなども可能である。

 パソコンやテレビと連携した携帯電話の新しい使い方も紹介する。携帯電話の不在着信や未読メールをパソコンに表示したり、持っているクーポンを店舗のデジタルサイネージに表示したりして気付きを促すシステムを開発中(写真3写真4)。ユーザーが携帯電話を操作しなくても無線LANを介して自動的に最寄りのディスプレイに情報を送信、表示する。

 いずれも参考出展で実用化時期は未定。このほか、夏モデルの一部機種をはじめ、通訳電話・メール翻訳コンシェル、Wi-Fi内蔵SDカード、写真・動画のストレージサービス、モバイルグループウエア、モバイルセキュアデスクトップなども展示する。