米Gartnerが現地時間2012年5月16日までにまとめた世界携帯電話市場調査によると、同年第1四半期(1~3月期)販売台数は4億1910万台となり、前年同期から2%減少した。携帯電話の世界販売台数が前年同期比減となるのは3年ぶり。通常第1四半は中国の旧正月(春節)の影響でアジア太平洋地域の需要が高まるが、今年は主要メーカーの新製品が少なかったことに加え、スマートフォンの新製品への期待で買い控えも起こった。

 メーカー別の販売台数を見ると、韓国Samsung Electronicsが前年同期比25.9%増の8656万台となり、フィンランドNokiaの8316万台を抜いてトップとなった。Nokiaは1998年以来首位を維持してきたが、第1四半期は1年前から22.7%減少して2位に転落した。

 この後、米Apple(3312万台)、中国ZTE(1743万台)、韓国LG Electronics(1472万台)、中国Huawei(1079万台)、カナダResearch in Motion(993万台)などと続いた。

 Samsungのスマートフォン販売台数は3800万台となり、同社はスマートフォン市場でもAppleを抜いて1位になった。Android搭載スマートフォンの市場でSamsung製品の占める割合は40%となっており、10%に満たないほかのメーカーを大きく引き離している。

 Gartner主席アナリストのAnshul Gupta氏は「携帯電話メーカーにとってスマートフォンは極めて重要になっている。例えばSamsungの携帯電話販売に占めるスマートフォンの割合は43.9%まで高まっているが、Nokiaは16%にとどまっている」と指摘している。

 2012年第1四半期におけるスマートフォンの世界販売台数は前年同期比44.7%増の1億4439万台。同市場で上位のSamsungとAppleを合わせたシェアは49.3%となり、前年同期の29.3%から大きく上昇している。一方Nokia製スマートフォンのシェアは9.2%に低下した。

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