SAS Institute Japanは2012年5月16日、インメモリー分析エンジン「SAS LASR Analytic Server」を今後の主力製品に位置づけ、SASの業務別・業種別ソリューションに対応させると発表した。LASR Analytic Serverはブレードサーバー上で動作し、容易にスケールアウトできることが特徴。大量データの高速処理が必要になる「ビッグデータ」の活用に向け、インメモリー型を強く押し出す。

 SASの利用形態は大きく、「Grid Computing」「In-Database」「In-Memory Analytics」の3つがある。LASR Analytic Serverは3番目に相当するインメモリー型であり、データを複数サーバーのメモリー上に展開して処理する。SAS Institute Japanの北川裕康 マーケティング本部長は、「分析業務は繰り返しが多いので、メモリーにデータを置いておくインメモリー型が効率的」と利点を話す。

 メモリーに読み込むSASのデータセットは、サーバーのディスク上に格納してある。LASR Analytic Serverでは、そこにHadoopの分散ファイルシステム「HDFS(Hadoop Distributed File System)」を用いる。

 LASR Analytic Serverは、同社のインメモリー型BIソリューション「SAS Visual Analytics」の中核コンポーネントに位置づけられる。同社はこれまで、17の業種、16の業務分野を対象とした200以上のビジネス・ソリューションを提供してきた。今後、「マーケティング最適化」や「リスク管理」など各種ソリューションを順次、Visual Analyticsに対応。LASR Analytic Server上のデータを分析できるようにしていく計画である。