日本IBMは2012年5月15日、IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)の新サービス「IBM SmarterCloud Enterprise+」を発表した。仮想マシン稼働率に関するSLA(サービス・レベル・アグリーメント)を複数から選択できるほか、仮想マシン上で稼働するOSの修正パッチ適用といった運用サービスを、オプションとして提供することなどが主な特徴。日本では8月上旬にサービスを開始する。

 今回発表したIBM SmarterCloud Enterprise+は、同社が2011年4月に発表したIaaS「IBM SmarterCloud Enterprise」(発表当初の名称は「IBM Smart Business Cloud Enterprise」)の機能追加版という位置づけ。ユーザーは仮想マシンの稼働率に関するSLAを、「98.5%」「99.5%」「99.7%」「99.9%」から選択できる。

 仮想マシン稼働率のSLAの違いは、仮想マシンの障害に対して日本IBMが実施する備えの違いに基づく。例えばSLAが99.5%の場合は、仮想クラスター内で仮想マシン移動をできるよう設定する。SLAが99.7%の場合は、仮想マシン障害発生時に仮想マシンが自動再起動するよう設定する。SLAが99.9%の場合は、仮想マシンのストレージのデータを異なる2カ所に複製しておく。

 このほか日本IBMは、ユーザーが仮想マシン上で稼働するOSなどに関する運用サービスも提供する。提供するサービスは、OSの修正パッチ適用などからなる「OSのバージョン管理とパッチ管理」、インシデント管理などを代行する「ITILベースマネージド・サービス」、OSの脆弱性管理などを行う「セキュリティ管理機能」の3種類である。

 IBM SmarterCloud Enterprise+は、日本、米国、カナダ、ブラジル、オーストラリア、ドイツ、フランスなど世界に8カ所あるデータセンターからサービスを提供する。サービス内容は、どのデータセンターも同じである。