図1●WOWOWの2012年度の重点項目
図1●WOWOWの2012年度の重点項目
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 WOWOWの代表取締役社長である和崎信哉氏は2012年5月15日の「2011年度決算説明会」で、2012年度事業計画の概要を説明した。

 2012年度は、2011年10月に確立した3チャンネルでフルハイビジョン放送を提供できる強みを生かし、コンテンツのさらなる充実を図る(図1)。今回、各チャンネルのキャッチコピーを発表した。「WOWOWライブ」では、「忘れられない瞬間を。」をキャッチコピーとする。「WOWOWプライム」のキャッチコピーは「ドラマチックな毎日を。」で、「WOWOWシネマ」は「映画のある人生を。」である。

第1四半期はWOWOWライブを徹底訴求

図2●WOWOWメンバーズオンデマンドの概要
図2●WOWOWメンバーズオンデマンドの概要
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 2012年度第1四半期は、スポーツや音楽ライブなど生放送に適した番組が充実していることから、WOWOWライブを徹底的に訴求する。4年に一度の欧州サッカーの大会「UEFA EURO 2012」を加入獲得の最大のフックにしたい意向である。

 これらの3チャンネルに加入者向けのVOD配信サービス「WOWOWメンバーズオンデマンド」(2012年7月2日開始、ライブ配信サービスは6月8日に先行して開始)を加えた四つのサービスについて、「全力で充実させて認知してもらう」という(図2)。「これによって大量加入、大量解約からの脱却をさらに進めていきたい」と意欲を見せた。

 2012年度はマーケティング活動も強化する。「チャンネルごとに訴求の対象にするターゲットを明確にし、テレビCMや新聞・雑誌での広告、Webでの展開など、最適な媒体を選択したり、使う媒体の組み合わせを検討したりしていく。2012年4月から既に取り組みを進めている」という。

 インターネットの活用も充実させていく。「テレビ単体でなく、テレビとインターネットを組み合わせて楽しむ“TV and Web”のトレンドが生まれ始めている。この流れにキャッチアップしていきたい」と述べた。

 説明終了後の質疑応答で和崎氏は、2012年度のマーケティング活動の方針に関する質問に答えた。「まずは三つのチャンネルの存在をアピールしたい」という。「2011年度に三つのチャンネルを訴求するために大規模な宣伝を行った。この結果、かなり認知度が上がったと我々は見ていたが、思うほど浸透していなかった」「宣伝のタイミングに合うコンテンツとともに、チャンネルの魅力をアピールしていきたい」と述べた。

加入者層の拡大に意欲、まずは30歳代の女性を意識

 よりきめ細やかなマーケティング活動を展開する理由については、「我々のメインターゲットは40歳代から60歳代だが、コンテンツによってはほかの層が強い関心を寄せるものもある。セグメントを明確にしたプロモーションを展開していきたい」と説明した。さらに会見終了後に和崎氏は、「視聴者層を拡大していきたい。まずは30歳代の働く女性や主婦の皆さんを取り込めればと思っている」と述べた。

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