2012年5月9日から11日まで、東京ビッグサイトで「2012 Japan IT Week 春」が開催された。「クラウドコンピューティングEXPO」や「スマートフォン&モバイルEXPO」など、多数のIT展示会が同時開催されるというイベントで、スーツ姿のビジネス客を中心に多くの来場者が訪れた。この中の日本マイクロソフトのブースでは、Windows Server 2012やMicrosoft Surface、Windows Phoneなどの最新情報を展示し注目を集めていた。

Windows Server 2012のRCは6月

 日本マイクロソフトのブースは「クラウドコンピューティングEXPO」のエリアに位置しており、Microsoft製品を中心に、多数のパートナー企業の製品を展示するというスタイルとなっていた(写真1)。

 中でも来場者の注目を集めていたのが、4月17日に正式名称が発表されたばかりとなる同社のサーバーOSの最新バージョン「Windows Server 2012」だ(写真2)。Windows Server 2012は、以前はWindows Server 8として知られていた。名前に「8」を採用しなかった理由をブース担当者に尋ねたところ、これまでWindows Serverは2003や2008など「年」をベースとした名称だったため、その前例を踏襲したとのことだ。

写真1●「クラウドコンピューティングEXPO」内の日本マイクロソフトブース
写真1●「クラウドコンピューティングEXPO」内の日本マイクロソフトブース
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写真2●正式名称が発表された「Windows Server 2012」を展示
写真2●正式名称が発表された「Windows Server 2012」を展示
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 ブースでは実機にWindows Server 2012のベータ版がインストールされ、デモに使用されていた(写真3)。なお、このベータ版は一般公開されている(ダウンロード先)。

 Windows 8の特徴であるMetroスタイルのスタート画面は、Windows Server 2012でも採用される。しかしデスクトップユーザー向けの「People」や、Metroスタイルアプリのマーケット「Windows Store」といったアプリはすべて省かれている(写真4)。

写真3●ブースにデモしていたWindows Server 2012のベータ版
写真3●ブースでデモ中のWindows Server 2012のベータ版
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写真4●Windows Server 8 Betaのスタート画面<br>「People」や「Windows Store」といったアプリは省かれている。
写真4●Windows Server 8 Betaのスタート画面
「People」や「Windows Store」といったアプリは省かれている。
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 そのため、実質的にはこれまでのスタートメニューを置き換える以外の意味はないようだ。これは、カーネルをWindows 8と共有していることが最大の理由であるという。

 今後の提供スケジュールもWindows 8と足並みを揃え、6月第1週にWindows 8の「Release Preview」版が公開されるタイミングで、Windows Server 2012もRC版の提供を開始する予定とのこと。

 ほかには、Windows PowerShellから利用可能なコマンドレットの数が約10倍になり、Windows Serverの一般的な操作のほとんどを自動化できるという。