米NVIDIAと知的財産権の管理会社である米Intellectual Venturesは現地時間2012年5月14日、共同で米IPWirelessから無線通信関連の特許資産を買収したと発表した。

 買収金額については明らかにしていないが、手続きは4月30日に完了しているという。買収した特許は出願中のものも含め約500件にのぼり、LTEやLTE-Advancedをはじめ、第3世代(3G)および第4世代(4G)通信技術の基本概念に関する分野などをカバーする。

 NVIDIA副社長兼法務顧問のDavid Shannon氏は今回の買収について、「グラフィックス、視覚、およびモバイルコンピューティングにおける当社の広範な基本特許の所有を補完するもの。これによりモバイル事業拡大を急進させる」と説明している。

 特許の所有権はNVIDIAとIntellectual Venturesの両社で分配し、NVIDIAは所有権を持たない特許については使用ライセンスを受ける。なおIPWirelessは恒久的に、ライセンス料無しでこれら特許にアクセスできる。

 米メディアの報道(Wall Street Journal)によると、今回の取引はIPWirelessから持ちかけられ、手続きが完了するまで数週間しかかからなかった。Shannon氏はインタビューで「知的財産の買収はどの企業も実行している戦略の1つだ。モバイルの世界では多くの(法的)争いが繰り広げられ、より多くの資産を所有していることはどのような種類の争いでも防衛するのに有利だ」と述べている。なおNVIDIAは2011年に買収した英Iceraの技術をベースにしたLTE対応チップを2013年にリリースする予定という。

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