写真 ニフティブース内「EC・ソーシャル」ゾーンの展示の様子
写真 ニフティブース内「EC・ソーシャル」ゾーンの展示の様子
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 2012年5月9日から11日まで東京ビッグサイトで開催されたIT関連の総合展示会「2012 Japan IT Week 春」。その中の一つ、「第3回 クラウド コンピューティングEXPO春」のニフティブースでは、同社のクラウドサービス「ニフティクラウド」について、「利用目的に合わせた具体的なクラウドの活用方法」を前面に打ち出した展示を実施していた。

 例えば、「EC・ソーシャル」ゾーンでは、ハングリードがニフティクラウド上に構築および提供している自動在庫管理ツール「zaiko Robot」などを展示(写真)。同ツールは、複数のECサイト(楽天やYahoo!ショッピングなど主要なECサイトをほとんどカバーしている)上の商品在庫管理を完全に一元化し、管理工数を減らせるSaaS型アプリケーションである。

 ハングリードによれば、zaiko Robotは従来レンタルサーバーを契約して提供していたが(既存顧客には現在も提供中)、ニフティクラウド上に構築することでサーバーの立ち上げや能力増強に必要な期間が大幅に短縮され、ユーザーの要望にも柔軟に対応できるようになったという。「サーバーのイメージ化機能を使うことで最短5分程度で立ち上げられ、急なユーザーニーズにも十分対応できるようになった」(ハングリード)。

 ニフティでは、今回の展示会出展に合わせて、今後のニフティクラウドのサービス拡充予定も明らかにしている。まず、個人向けのアプリケーション開発環境として、「ニフティクラウドC4SA」というPaaS(Platform as a Service)を5月下旬にベータ版として提供する。

 ニフティクラウドC4SAは、サーバー管理が不要で、Web上でコードを書くだけで簡単に新規サービスを展開できるツールになるという。MySQLによるデータベース機能や独自ドメイン対応、WebDAVによるファイル連携などの機能を装備。対応言語については、当初PHPとRubyの二つに対応するが、今後増やしていく予定だとしている。

 もう一つ、異なる地域のデータセンターをニフティクラウドのユーザーが任意に選べるようにする「マルチリージョン・ゾーン対応」も8月をめどに実施する。現在東日本にあるデータセンターに加えて、西日本にも8月にデータセンターを開設する予定となっており、ユーザーは管理画面から任意のリージョンを選べるようになるという。

 東日本リージョンのサーバーを西日本リージョンにもコピーして運用可能になるため、ユーザーはBCP(事業継続計画)およびDR(災害復旧)対策をより強化できるようになると同社では説明している。