NTTドコモは2012年5月14日、イタリア証券取引所に上場するイタリアのコンテンツ配信事業者、Buongiorno(ボンジョルノ)に対してTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。ボンジョルノは携帯電話やスマートフォン向けに音楽やゲームの配信を手がけるベンチャー。NTTドコモのコンテンツやノウハウとボンジョルノのコンテンツ配信基盤を組み合わせ、海外事業の拡大につなげる。

 NTTドコモの買い付け価格は1株当たり2.0ユーロ(214円相当)。潜在株式調整後の発行済み株式総数で最低3分の2以上を取得して子会社化を目指す。最大買い付け総額は2.2億ユーロ(100%の場合、240億円相当)。ボンジョルノの筆頭株主で約20%の株式を保有するMauro Del Rio氏(ボンジョルノのChairman)からは応募の確約を得ているという。ボンジョルノは1999年4月21日設立。2011年12月期の売上高は2億2860万ユーロ(約245億2000万円)、営業利益は700万ユーロ(約7億5000万円)。従業員数は848人。

 NTTドコモはコンテンツ配信事業における海外展開を急いでおり、2009年にもドイツのネット・モバイルを買収済み。ネット・モバイルは個人向けサービスも展開するが、通信事業者の配信基盤の受託などBtoBが中心。これに対してボンジョルノはBtoCが中心で欧州だけでなく、北米や南米など50カ国でサービスを展開する。潜在顧客は約20億人で、買収に成功すれば海外展開を加速できると判断した。