写真1●記者会見で握手するNTT持ち株の三浦惺社長(左)と鵜浦博夫副社長
写真1●記者会見で握手するNTT持ち株の三浦惺社長(左)と鵜浦博夫副社長
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写真2●記者会見で握手するNTT東日本の江部努社長(左)と山村雅之常務
写真2●記者会見で握手するNTT東日本の江部努社長(左)と山村雅之常務
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 NTT(持ち株会社)、NTT東日本、NTT西日本の各社は2012年5月11日、社長交代の人事を発表した。NTT持ち株会社では鵜浦博夫副社長(63)が、NTT東日本では山村雅之常務(59)が、NTT西日本では村尾和俊副社長(59)が、それぞれ社長に昇格する(写真1写真2)。6月22日開催予定の株主総会後に正式決定する。

 NTT持ち株の三浦惺社長は、2012年3月期連結決算の会見で今回の人事について「変化が激しく、これからもスピードアップしていく世界を念頭に置いたとき、事業に精通し、決断力や実行力を備えたリーダーを選ぶのが基本。全体的に他社に比べ、大幅な若返りを図った」と総括した。

 NTT持ち株の鵜浦副社長はこれまで、事業戦略全般に加え、新規ビジネスやグローバル事業なども担当してきた。三浦社長は「情報通信分野をはじめ、財務面を含めた情報通信以外の分野でも高い知見を持っている。決断力、実行力があるのが特徴。安心してあとを任せられる人材」と評した。

 会見に登場した鵜浦副社長は「かつてないほどの使命感、プレッシャーを感じている。グループの舵取り役なので、若干の航路の変更で済むこともあれば、新しい航路の開拓が必要な場面も出てくるだろう。後輩たちからこういう航路変更をやっておいてもらって良かった言われるような舵取りをしたい」と挨拶した。

 NTT東日本の山村常務は競争の激しい東京支店長を務めた経験を持ち、東日本大震災では設備部門の責任者として陣頭指揮を執った。NTT東日本の江部努社長は「設備系の経歴が長いが、営業系も強い。経営センスも優れて決断力がある。強いリーダーシップがあり、全幅の信頼を置いている」と評した。山村常務は「責任重大で身の引き締まる思い。経営環境は厳しい。変化がどんどん進んでいる。顧客の要望にアンテナを高くして常に変化できるようにチャレンジしていきたい」とした。

 NTT西日本の村尾副社長は長らく経営企画部門を歩み、副社長に就任してからは営業の陣頭指揮を執る一方、成長戦略として新規ビジネスの開拓も推進してきた。NTT西日本の大竹伸一社長は「他社への顔が広く、激動の時代に打ってつけの候補」と評する。村尾副社長は「光サービスは大きな転換期に差し掛かっており、どう舵取りするか非常に大きな使命と感じている。これまで(光サービスで)競争の激しい関西で鍛え上げられてきたので、その力を存分に発揮し、スピード感を持って新サービス、新ビジネスをどんどん提供していきたい」と抱負を述べた。

 グループ各社の主な人事は以下の通り。NTT持ち株は三浦惺社長が会長、和田紀夫会長が相談役になり、副社長には片山泰祥常務と渡辺大樹常務が昇格する。宇治則孝副社長と金澤薫副社長は顧問になる。

 NTT東日本は江部社長が相談役に就任。副社長には中川裕常務と岡政秀取締役が昇格する。前田幸一副社長はNTTファイナンスへ、小園文典副社長は協和エクシオへ。NTT西日本は大竹社長が相談役に就任。副社長には小椋敏勝常務と高畠宏一常務が昇格する。伊東則昭副社長はコムシスホールディングス、日本コムシスへ。

 NTTコミュニケーションズの有馬彰社長は続投だが副社長2人が交代。NTT持ち株の庄司哲也取締役とNTTコムの澤田純常務が就任する。海野忍副社長はNTTコムウェア社長に、牧貞夫副社長はNTT都市開発副社長にそれぞれ就任予定。