富士通と和歌山市教育委員会は2012年5月11日、総務省の「フューチャースクール推進事業」の一環として、和歌山市立城東中学校においてタブレット端末とクラウドを活用した学習の実証研究を開始した。

 同実証研究では、生徒に1人1台ずつ富士通製タブレット端末「ARROWS Tab Wi-Fi(アローズ タブ ワイファイ)」を携行させて、タブレット端末とクラウドを活用した学び方、指導方法の検証を行う。ARROWS Tab Wi-Fiは、Wi-Fi、GPS (全地球測位システム)、Webカメラを備えた10.1インチサイズのタブレット端末。防水かつ599gの軽量設計なので、校外での利用にも適している。

 また、富士通、同研究用に専用のクラウド基盤を構築し、クラウド型のデジタル・ノート・アプリケーションを開発した。

 生徒は、このデジタル・ノート・アプリケーションを使って、タブレット端末からデジタル教材や、端末のカメラで撮影した写真の上に手書きで書き込みを行える。教材データのレイヤー、生徒が書き込みを行うレイヤー、先生が書き込みをするレイヤーなど、レイヤーと利用者ごとにアクセス権限を設定する機能を備える。同機能を使うことで、例えば、テストの答案(編集不可の教材レイヤー)に生徒が回答(生徒レイヤーに書き込む)、先生が採点(教師レイヤーに書き込む)というような運用が可能だ。書き込まれたデータは同研究専用のクラウドに保存される。

 城東中学校では、校内学習での情報収集・整理や、同アプリとタブレット端末を活用していく計画だ。また、修学旅行や国際交流研修の際には、GPSを使った生徒の位置把握、海外でのコミュニケーションツールとしてもタブレット端末を利用していくという。