スマートフォンと車載端末を連携させたカーナビ・システム
スマートフォンと車載端末を連携させたカーナビ・システム
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ゼンリンデータコムとトヨタ自動車が共同開発し、タイで商用化したカーナビ・システム
ゼンリンデータコムとトヨタ自動車が共同開発し、タイで商用化したカーナビ・システム
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インクリメントPが開発したAR技術利用のiPhone向けナビ
インクリメントPが開発したAR技術利用のiPhone向けナビ
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 東京ビッグサイトで2012年5月9日に開幕したモバイル関連の展示会「スマートフォン&モバイルEXPO」では、スマートフォンを使ったナビゲーションの展示に注目が集まった。

 ナビゲーションアプリ「いつもNAVI」を販売するゼンリンデータコムは、同アプリをダウンロードしたスマートフォンと自動車のダッシュボードに取り付けた液晶モニタ付きのAV端末を連携させるシステムを参考出品した(図1)。両者をUSBケーブルなどでつなぐことで、いつもNAVIのカーナビの機能を車載端末で使えるようになる。会場では車載端末のタッチパネルに触れて、カーナビの操作を行うデモを行った。

 トヨタ自動車はゼンリンデータコムとの共同開発により、この仕組みを使ったカーナビのサービスをタイで提供している(図2)。高価な車載型のカーナビ端末を使う必要がなくなるため、ユーザーの費用負担を抑えられる。ただし日本では、スマートフォンと車載端末を連携させるための通信規格が自動車メーカーにより異なるため、製品開発の手間やコストがかかってしまう。「現時点では、国内で統一されるのを待ってから商用化することを考えている」(ゼンリンデータコム)という。

 このほか、パイオニア子会社のインクリメントPは、iPhoneの内蔵カメラで写した前方の映像に、ナビ情報を重ね合わせて表示させる試作アプリを出展した(図3)。AR(拡張現実)技術を使うことで、道案内の矢印や、方向を変えるポイントまでの距離が表示されたり、近づいたコンビニエンスストアやガソリンスタンドなどの情報を確認できたりする。「iPhoneのGPS情報が正確なので、実写映像にナビ情報を正確に表示させることができた」としている。