図1●アクトビラの会員登録数は2012年4月末で52万台となった
図1●アクトビラの会員登録数は2012年4月末で52万台となった
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図2●2011年度の売り上げは前年度比約2倍に。見放題パックの割合が増えた
図2●2011年度の売り上げは前年度比約2倍に。見放題パックの割合が増えた
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図3●2012年度の新規事業計画。左下の既存市場に加えて、三つの分野に取り組む
図3●2012年度の新規事業計画。左下の既存市場に加えて、三つの分野に取り組む
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図4●VODから放送サービスに復帰できる「タイプ2」の放送通信連携サービスを夏に開始する
図4●VODから放送サービスに復帰できる「タイプ2」の放送通信連携サービスを夏に開始する
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 アクトビラは、同社が運営するデジタル家電向けコンテンツ配信サービス「アクトビラ」において、他事業者との連携やサービスの多様化を進める。2012年5月10日に開催した説明会で、サービス利用の現状と今後の事業方針を説明した。

 アクトビラはVODサービスの現状として、対応機器の出荷が累積で約4000万台(動画対応機器のみ)となり、このうち累計接続台数が420万台、会員登録数が52万台あると説明した。提供コンテンツ数は6万本以上(カラオケ2万曲を含む)で、VOD作品の提供事業者数は63社である。2011年の売り上げは前年比約2倍で伸びている。このうち月額見放題パックの販売割合が47%を占め、間もなく50%を超えそうだという。またVODの売り上げのうち、映画、アニメ、ドラマの3分野で約80%を占めている。

 2012年度に新しく取り組む事業分野として、新サービスの開発が目的の「新アクトビラサービス分野」と、新市場開拓を目指す「アクトビラプラットフォーム分野」、経営の多角化など「システムオペレーション分野」の三つを挙げた。

 新アクトビラサービス分野は、アクトビラが提供するAPIを使って機器メーカーごとにサービスのユーザーインタフェースや利用機能をカスタマイズできるサービス、スマートフォンなどテレビ以外の機器との連携、放送通信連携機能の強化によるサービスの多様化などを推進する。機器メーカーごとのカスタマイズ機能は、パナソニックのデジタルテレビなどで既に利用されている。

 放送通信連携機能は、現在「タイプ1」と呼ばれる方式を日本放送協会(NHK)が運用している。NHKのデータ放送画面で「NHKオンデマンド」(NOD)ボタンを押すと、アクトビラのNODサービスを利用できる。現行のタイプ1では、NODの画面に移動すると放送サービスに戻れない。夏にも対応を開始する「タイプ2」の放送通信連携機能では、放送と通信サービス(VOD)を相互に行き来できるようになる。

 このほか、リモコンのアクトビラボタンを押した際に他事業者のサービスも一緒に表示する「マイチャンネル」機能(2012年4月中旬に提供開始)や、他事業者とのポイント連携によるVOD視聴の促進などを期待している。この分野の新規サービスには、過去に発売されたアクトビラ対応機器では利用できない新しいものも含む。

 アクトビラプラットフォーム分野は、既存のサービスを新しいモデルで活性化するのが狙いである。ケーブルテレビやネットスーパーなどほかの事業者との連携を強化する。映画館で上映するOther Digital Stuff(ODS、演劇やオペラ、音楽ライブなど映画以外の映像コンテンツ)を上映期間終了後すぐにVOD配信するサービスを5月にも開始し、新しい収益源として育てる。

 システムオペレーション分野はB2Bのビジネスが基本となる。2012年4月1日にパナソニックのグループ会社から移管した。ホテルなどで客室向けに活用しているVODサービスや、法人・自治体向けライブ配信などを取り扱っている。