図 サービス全体におけるWOWOWメンバーズオンデマンドの位置付け
図 サービス全体におけるWOWOWメンバーズオンデマンドの位置付け
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 WOWOWは2012年5月10日、加入者向けのVOD配信サービスである「WOWOWメンバーズオンデマンド」を7月2日に開始すると発表した。このサービスは、スポーツなどの動画を生中継で提供する「ライブ配信サービス」と、放送が終了した番組を配信する「見逃し視聴サービス」、選りすぐりの作品を届ける「ライブラリーサービス」の三つの機能を持つ。

 WOWOWの月額視聴料(2415円)を支払っている加入者であれば、無料で利用できる。加入者がテレビ端末だけでなく、スマートフォンやタブレット端末でもWOWOWの番組を視聴できるようにするための拡充サービスという位置付けである(図)。

 ライブ配信サービスは2012年6月8日から他のサービスに先行して提供する。「UEFA EURO 2012 サッカー欧州選手権」(6月8日開幕)の全31試合を完全ライブ配信する。その後は、「LPGA女子ゴルフツアー エビアンマスターズ」や「全米オープンテニス」、「陸上ワールドツアー ダイヤモンドリーグ」などの配信を予定する。見逃し視聴サービスの配信ラインアップには連続ドラマW「マグマ」などを、ライブラリーサービスではアニメ「オズマ」などを挙げた。

 加入者は1加入当たり、3台まで利用端末を登録できる(同時に番組配信を受けられる台数は1台)。視聴アプリの公開は2012年6月上旬を予定する。iOS端末とAndroid端末のそれぞれに対応アプリを提供する。現時点で利用端末として想定するのはスマホとタブレット端末だが、「パソコン向けへの配信も検討している」という。

 代表取締役社長の和崎信哉氏は、WOWOWメンバーズオンデマンドを開始する理由について、「これまではテレビ単体でコンテンツを提供してきたが、“TV and Web”の時代に入ってきている」「スマホやタブレット端末でも番組を視聴できるようにして、加入者の方の番組接触度を高めていく。これによって、解約を抑止できると考えている」と説明した。

 2012年5月10日の会見で和崎氏などはWOWOWメンバーズオンデマンドに関する本誌の質問に対し、「見逃し視聴サービスとライブラリーサービスのコンテンツ本数は、1カ月当たり合計200本程度を予定する。ライブ配信サービスでは、配信対象として適したスポーツイベントなどの開催に合わせて順次配信する」などとした。

 さらにサービスの対象を加入者に限定する理由について質問したところ、「我々は有料放送事業者であり、そのユーザーを第一に考えたい。そこでまずは加入者向けにサービスを提供することにした」(常務取締役の橋本元氏)「未加入者向けにはVODサービスを提供しないということではない。どのようなサービスを提供するべきかの検討はしている」(和崎氏)と述べた。

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