写真●印象筆記(Yinxiang Biji)のトップページ
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 米Evernoteは2012年5月9日(米国現地時間)、中国専用のサービス「印象筆記(Yinxiang Biji)」を開始した。中国に設置されたサーバーでサービスを提供することで、ネットワーク帯域の制限を受けることなく「ユーザー体験を劇的に向上させる」(Evenote CEO Phil Libin氏)としている。

 これまでもEvernoteのサービスは中国から利用可能だったが「米国と中国間の貧弱なネットワークのため、率直に言って、中国でEvernoteを使用すると、素晴らしいユーザー体験は得られなかった」(Libin氏)。「印象筆記」では、中国にサーバーを置くことで、ユーザー体験を向上させるとしている。印象筆記はEvernoteと同じインターネットデータ記録サービスを提供する。コードベースを共有して開発されるという。ユーザーアカウントは別々に管理される。Evernoteから印象筆記にデータをコピーすることが可能。

 また印象筆記でもEvernoteと同じAPIを提供しており、中国の開発者は両サービスを対象にしたアプリを開発できる。「中国の開発者にとって、多くのアプリとの統合や構築がはるかに容易になる」(Libin氏)。

 データのプライバシーについて、Evernoteは「あなたのデータはあなたのもので、データは保護されている」(Libin氏)としているが、「印象筆記は中国の法令を遵守する。これは、中国当局が現在の規則に従って、データにアクセスする権利を持っているかもしれないことを意味する」(Libin氏)ことも認めている。

 Libin氏は「中国でビジネスを行うことは、欧米企業にとって困難なことだが、中国を無視するという安易な道を選ぶことはEvernoteのやり方ではない。我々が生きているのは完璧な世界ではないが、ハードワーク、イノベーション、楽観主義と透明性を通じて、世界を少しづつよい方向に動かしていけると考えている」とコメントしている。

[Evernote公式ブログへの投稿]