オレンジソフトは2012年5月10日、Gmailをメーラーとして使いながら社内のメールサーバーを介してメールを送信できるようにするSI(システム構築)サービス「Gmリレー」を開始した。社内のメールサーバーに対して、Gmail用の新たなセキュリティ設定を施すサービスである。SI料金は個別見積もり。

 Gmリレーは、社内のメールサーバーのセキュリティ設定(メール中継ルール)を適切に変更し、メーラーとしてGmail(Google Apps For Business)を使えるようにするSIサービスである。標準のセキュリティ設定では、Gmailから送られてきた送信メールを、外部のあて先に中継しないので、これを中継するようにする。さらに、Gmail経由のすべてのメールを無条件に中継するのではなく、送信ドメイン認証によって、許可された企業(主に自社)からのメールだけを中継できるようにする。

 Gmailから直接送信せずに、いったん社内のメールサーバーを介して送信することによって、Gmailが提供しない機能を利用できるようになる。例えば、アーカイブ保存、メール暗号化、一時保留(誤送信防止)などだ。社内を介することで、Gmailを使いつつ、任意の機能を追加して利用できるようになる。

 同社はこれまでも顧客の要望に応じて、Gmailと社内メールサーバーを組み合わせた形態のSIサービスを、個別に提供してきた。ここへ来て、同様の案件が増えてきていることから、これに対して新規に名称を付けて売り出した。メール関連のSIサービスの中では典型的な案件なので、提供体制も既に整っているとしている。

 SI料金はエンジニアの手間に依存するが、利用中の社内メールサーバーに何を利用しているかによって、設定の手間が大きく変わる。既存ソフトウエアの設定ファイルの一部を修正/変更するだけで済む場合もあれば、追加のソフトウエアをインストールするケースや、新規のゲートウエイ機器を設置するケースもある。