Photo: Jim Merithew/WIRED

Apple社は、安価な『Windows』搭載Ultrabookを販売する他社と競合していくため、第3四半期に800ドルという低価格の『MacBook Air』をリリースする予定だ――台湾『DigiTimes』が、「上流のサプライチェーンによる情報」としてそう伝えている。

MacBook Airの現在の価格は、11インチの標準モデルで1,000ドルだ。一方、今後発売される予定のUltrabookは700ドルという低価格で、スリムで美しい外観など、MacBook Airシリーズと直接張り合うような革新的な特徴を備えている。

ASUS社の『ZenBook』。Image: ASUS。画像は別の英文記事より

ただし、Apple社が安いバージョンのMacBook Airを新しく作るとは限らない。同社は新製品を出すとき、それまでのモデルを安くして出すことが多いからだ。新型iPadが登場したとき、Apple社は、前版である『iPad 2』の価格を100ドル引き下げ、低価格(とはいうものの十分高性能の)バーゲン製品にした。

Apple社は同社のサプライチェーンを巧みに制御しているので、「古くなった」製品の製造費は下がり続けている。製品を100ドル安く販売しても、十分な利益幅を維持しているのだ。

こうしたやり方は、より低価格を狙った「安価な」製品を意図的に作り出す、ほかの多くの競合企業とは明確に異なる戦略だ。

調査会社IHS iSuppliのアナリスト、ケヴィン・ケラーは、MacBook Airが最初に市場に投入された2011年、部品の価格は、メモリが100ドル、ディスプレイが60ドル程度だったと見ている。だがその1年後、それらの価格は下落し、メモリは60ドルから70ドル、ディスプレイは40ドル程度になった模様だ。

「部品の価格が下がり続けているため、Apple社の利益は順調に増加している」とケラー氏は言う。したがってApple社には、機能や性能を削減することなく価格を下げる余裕があるのだ。

Apple社の利益は不明だが、ケラー氏は、13インチのMacBook Airがリリースされたとき、材料費は合計で700ドル程度だったのに対し、製品価格は1,200ドルだったと見ている。

噂にすぎないとはいえ、800ドルのMacBook Airが登場する可能性はかなりある。Airを買おうか安いUltrabookを買おうか迷っている人は、あともう少し待ってみてもよさそうだ。

TEXT BY CHRISTINA BONNINGTON

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