写真●カルピス株の譲渡を発表する会見後のフォトセッションで笑顔を見せる味の素の伊藤雅俊社長(左)とアサヒグループホールディングスの泉谷直木社長
写真●カルピス株の譲渡を発表する会見後のフォトセッションで笑顔を見せる味の素の伊藤雅俊社長(左)とアサヒグループホールディングスの泉谷直木社長
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 味の素の伊藤雅俊社長は2012年5月8日、2012年3月期決算の会見後に、4月1日付でシステム子会社「味の素システムテクノ」の株式を野村総合研究所(NRI)へ譲渡したことについて触れ、「我々の事業、つまり機能分野として(味の素システムテクノの株式を)100%は持つ必要はない」と語った。

 伊藤社長はNRIへの株式譲渡に至った背景について、「国内もそうだし、グローバルに新しいIT技術を取り込んで仕事をしていくなかでは自社だけでは限界があった」とした。今後も資本効率の改善や株主価値の向上に寄与する施策を継続する考えを強調した。

 味の素は、2012年2月に味の素システムテクノの株式の51%をNRIに譲渡すると発表していた(関連記事)。

 決算会見に先立ち、味の素は100%子会社であるカルピスの発行済み株式の全てをアサヒグループホールディングスに譲渡すると発表した。譲渡金額は約1200億円になる。伊藤社長は「コア事業に集中するという経営計画を実現するために決断した」と話した(写真)。