米Yahoo!最高経営責任者(CEO)の学歴詐称疑惑を追及する米Third Pointは現地時間2012年5月7日、CEO任命の経緯などを記した関係書類を開示するようYahoo!に求めた。応募書類、履歴書、書簡などScott Thompson CEOによって提出された書類のコピーや雇用契約書のほか、同氏の採用や取締役会への参加を決めた各委員会とThompson CEOのやりとりを記した書類、人選の際に行った素性調査の関連書類なども開示するよう要求している。

 Third PointはYahoo!株式の5.8%を保有する大株主。同社のDaniel Loeb CEOは「機能障害に陥った取締役会は修復する必要がある」などとYahoo!を批判し、3月には自身を含む4人の候補の選任を求めるなど経営陣との対決姿勢を強めている。

 Third Pointは5月3日、Yahoo!の有価証券報告書などに記載されている「Thompson CEOのコンピュータ科学の学士号」が事実と異なると指摘し、Yahoo!に同氏を解雇するよう求めた。これに対しYahoo!側は「記載に不注意な誤りがあった」と認めたが、「経営幹部の適任者であるという事実を変えるものではない」と反論した(関連記事:Yahoo!、Thompson CEOの学歴の「誤り」を認める)。

 Third Pointの書類開示要求はこのYahoo!の回答を受けたもので、Third Pointはその目的を「経営陣の不正行為あるいは経営ミスを調査するため」としている。またこれに先立つ3月にYahoo!はThird Pointの提案を退ける形で5人の取締役を任命したが、Third Pointはこれについても人選の経緯を示す書類を出すよう要求している(関連記事:Yahoo!、事業立て直しに向け新たに3人の取締役を指名)。

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