写真1●Wi-SUN Alliance Chairのフィル・ビーチャー氏
写真1●Wi-SUN Alliance Chairのフィル・ビーチャー氏
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写真2●認証や相互接続性のスコープ
写真2●認証や相互接続性のスコープ
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 近距離無線通信規格「IEEE802.15.4」「IEEE802.15.4g」「IEEE802.15.4e」の業界団体であるWi-SUN Allianceは2012年4月27日、都内で説明会(オープンハウス)を開催し、日本版スマートメーターの920MHz帯にフォーカスした通信仕様の策定や認証、相互接続性の確保に取り組んでいくことをアピールした。第3四半期末から第4四半期をメドに仕様を固める予定。

 また、「最初は日本の920MHz帯にフォーカスするが、活動は米国、東南アジア、欧州へと広げる」(Wi-SUN Alliance Chairのフィル・ビーチャー氏、写真1)とグローバル展開にも意欲を見せた。

 一般にIEEEの標準化活動では、利用モデルに合わせた通信仕様の策定や、ロゴ認証のプログラム、相互接続性の試験は対象外である。これらを手掛けるWi-SUN Allianceの位置付けは「無線LANにおけるWi-Fi Allianceと同じ」と、Wi-SUN Alliance Co-Chair of Board of Promotersを務める情報通信研究機構(NICT)ワイヤレスネットワーク研究所スマートワイヤレス研究室室長の原田博司氏は説明する。

 認証や相互接続性の対象となるのは、物理(PHY)層とその上のMAC層である(写真2)。PHY層ではIEEE802.15.4gをベースとするものの、用いるオプションの違いで複数のPHY層を対象とする。

 MAC層についてもIEEE802.15.4eやそれ以外のものなど複数を想定する。そして利用モデルごとにPHY層とMAC層の組み合わせ(プロファイル)を作り、これを仕様として固めていく。この仕様に基づき、ロゴ認証や相互接続性の確保を実現する。

 Wi-SUN Allianceは米アナログ・デバイセズ、富士電機、村田製作所、NICT、オムロン、大崎電気工業、ルネサス エレクトロニクス、米シルバー・スプリング・ネットワークスの8社が2012年1月に設立した。活動は、(1)マーケティング、(2)テスト/認証、(3)テクニカルステアリング――の三つのワーキンググループで行う。今後は、ワーキンググループへの参加や仕様作り、投票が可能なメンバー「コントリビューター」としての参加を広く募っていくとする。

[Wi-SUN Allianceのホームページ]

■変更履歴
当初、タイトルおよび本文で仕様策定のメドを「第3四半期末」としていましたが、第4四半期も想定されているのでそのように修正しました。[2012/4/27 23:00]