写真1●防災デジタル・コミュニティラジオのメリット
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写真2●加賀ハイテックが開発する受信端末のイメージ
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写真3●受信端末の商品コンセプト
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写真4●東日本大震災では大津波警報の告知手段として、防災行政無線が有効だった
写真4●東日本大震災では大津波警報の告知手段として、防災行政無線が有効だった
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写真5●東日本大震災では、防災行政無線の利用に問題のあった市町村も多かった
写真5●東日本大震災では、防災行政無線の利用に問題のあった市町村も多かった
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写真6●防災行政無線を補完するラジオに求められる機能
写真6●防災行政無線を補完するラジオに求められる機能
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写真7●デジタル方式のメリット
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写真8●今後実施する実験で検討が必要な課題
写真8●今後実施する実験で検討が必要な課題
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 V-Low防災デジタル・コミュニティラジオ検討協議会は2012年4月27日、V-Low帯域を利用して防災デジタル・コミュニティラジオの実証実験を行うと発表した。送信側の信号発生器を営電、アンテナを日本アンテナが開発する。さらに、受信端末メーカーとして加賀ハイテックが参加する。

 実証実験は前期と後期に分けて実施する。前期となる2012年6月までは、利根山(標高190m)に設置したアンテナから発した電波の届く範囲を検証する。1セグメントを使い、出力は20Wの予定である。これと並行して、受信機の開発を進める。後期となる2012年9~11月は、端末をうまく自動起動させるために必要な対策や、情報をどういう形で提供するか、自治体との連携をどう進めるかといった課題について、前期の実験結果を踏まえながら検討する。

 逗子・葉山コミュニティ放送 代表取締役で、V-Low防災デジタル・コミュニティラジオ検討協議会の会長を務める木村太郎氏は、「自動起動」「遅滞なく緊急情報を伝える」「聴覚被害者にも伝えられる」の3点を、防災行政無線を補完する新ラジオに求められる機能として挙げた。また木村氏はデジタルラジオで防災情報を伝えるメリットとして、「弱い出力でも広範囲まで届く」「端末を自動起動するためのチャンネル設定が可能である」「音声だけでなく、IPキャストによる文字や画像の伝送も可能」といった点を指摘した。

 今後、神奈川県や鎌倉市、逗子市、葉山町といった自治体とも協力して防災デジタル・コミュニティラジオの活用方法を検討する。この中で、誰がどういう権限で非常時の緊急情報を流していくのかについて、制度化のあり方も含めて検討を進める。この点について木村氏は「緊急情報の配信は迅速性が求められるが、編成権にも関連する。実証実験をやりながら考えたい」と答えた。

 また環境整備コストについては、営電が送信側の信号発生器について「20Wのパワーアンプ含めて250~260万円くらいにしたい。ユーザーがきちんとビジネスを持続できる価格を考える」と述べた。また加賀ハイテックも端末について「一般ユーザーにも買ってもらえるように、市場価格8000円程度を目指したい」と目安を示した。