米Amazon.comが現地時間2012年4月26日に発表した同年第1四半期(1~3月期)の決算は、売上高が131億8500万ドルで前年同期の98億5700万ドルと比べ34%増加した。純利益は1億3000万ドル(希薄化後1株当たり利益は0.28ドル)で、前年同期の2億100万ドル(同0.44ドル)から35%減少し、5四半期連続の減益となった。

 物流施設などにかかる費用が膨らみ利益を圧迫した。一方で昨年第4四半期中に販売を開始したタブレット端末「Kindle Fire」が引き続きAmazon.comサイトで最も売れる商品となったほか、売り上げ上位10品目のうち9品目が電子書籍端末「Kindle」や、電子書籍、映像、音楽コンテンツ、アプリケーションとなり、デジタル関連商品が好調だった。Jeff Bezos最高経営責任者(CEO)によると、同社では電子書籍販売サービスのKindle Storeで独占販売する新刊書の数が約13万タイトルに拡大している。

 当期の営業利益は1億9200万ドルで前年同期の3億2200万ドルから40%減。営業利益率は1.5%で前年同期の3.3%から低下した。売上原価、物流設備、マーケティング、技術基盤やコンテンツにかかる費用がいずれも増加し、これらを含めた営業経費は前年同期比36%増の129億9300万ドルとなった。

 事業別の売上高は、書籍や音楽/映像メディアなどを扱うメディア部門が47億1000万ドルで前年同期比19%増。家電・日用品部門は79億7500万ドルで同43%増えた。地域別の売上高は、北米(米国とカナダ)が同36%増の74億2700万ドル、海外部門(英国、ドイツ、日本、フランス、中国、イタリア、スペイン)が同31%増の57億5800万ドルとなった。

 同社は、2012年第2四半期(4~6月期)の業績見通しについて、営業損益が2億6000万ドルの赤字から4000万ドルの黒字の範囲になるとしており、営業赤字の可能性があることを示唆している。売上高は119億~133億ドルの範囲で、前年同期比20%増~34%増と見ている。

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