野村総合研究所(NRI)が2012年4月25日に発表した2012年3月期決算は、売上高が前期比2.8%増の3355億5400万円、営業利益が同12.3%増の431億5200万円だった。営業ベースでは4期ぶりの増収増益で、「コンサルティングが好調だったほか、ITでは金融での大型案件などが寄与した」(嶋本正社長)という。

 セグメント別の売上高では、コンサルティングが前期比9.6%の216億円と伸び率では最も高く、金融分野が同4.0%の2026億円でこれに続いた。製造や流通など産業分野は同1.6%増の893億円だった。

 コンサルティング分野は増収で収益性が大幅に改善したという。金融分野では、野村證券がNRIの提供する証券業務システム「STAR-?」を利用するなど大型案件が相次ぎ、運用サービスの稼働率が向上した。一方、産業分野は新規分野で戦略的な顧客開拓を実施したことで、売り上げは増えたものの、コストも増大したという。

 2013年3月期は、売上高が5.8%増の3550億円、営業利益が4.3%増の450億円と、引き続き増収増益を予想する。「経営とシステムともに好調だったコンサルティングの需要は、システム投資に結びつく」(嶋本社長)と見ている。