写真1●アイネットが開発したモバイル端末向けWindowsアプリケーションのデモ
写真1●アイネットが開発したモバイル端末向けWindowsアプリケーションのデモ
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写真2●シー・エス・イーが開発したモバイル端末向けWindowsアプリケーションのデモ
写真2●シー・エス・イーが開発したモバイル端末向けWindowsアプリケーションのデモ
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 シトリックス・システムズ・ジャパンは2012年4月25日、都内で説明会を開き、同社のツールを用いて既存のWindowsアプリケーションの使い勝手をモバイル端末向けに改造したソフトウエア開発ベンダーの事例を紹介した。アイネットとシー・エス・イーの2社が、それぞれが改造した自社製アプリケーションをデモンストレーションしてみせた(写真1写真2)。

 二つの開発事例はいずれも、iPhone/iPadなどのモバイル端末をシンクライアント(画面情報端末)として使い、Windowsアプリケーションを遠隔操作するもの。仕組みとして、Windows Serverのアプリケーションとデスクトップを遠隔操作するミドルウエア「Citrix XenApp」を利用する。二つの事例の最大の特徴は、XenApp経由で遠隔操作するWindowsアプリケーションの操作性を、モバイル端末向けに改造している点である。

 事例の前提となるXenApp 6.5は、Windows ServerのGUIメニューの操作性をモバイル端末向けに変換する機能「Mobility Pack」を標準で備えるだけでなく、個々のWindowsアプリケーションの操作性をモバイル端末向けに改造するSDK(ソフトウエア開発キット)である「Mobile Application SDK for Windows」を用意している。Windowsアプリケーションの開発者は、同SDKを適用することで、既存のWindowsアプリケーションの操作性を容易にモバイル端末向けに改造できる。

 アイネットとシー・エス・イーは今回、自社が開発し顧客に提供するWindowsアプリケーションにSDKを適用した。Windows Server上のアプリケーションをシンクライアントプロトコル経由で遠隔操作するというアーキテクチャーはそのままに、モバイル端末向けに設計したUI(ユーザーインタフェース)を利用できるようにした。

 シトリックス・システムズ・ジャパンによれば、アイネットとシー・エス・イーは、XenApp環境にモバイル向けSDKを適用した国内で最初の事例という。現在は2社だが、2012年4月25日に専用のパートナープログラム「Windowsアプリケーション簡単モバイル化プログラム」を開始し、同SDKの普及を促進する考えである。