写真1●Hitachi Unified Storage 100シリーズの外観
写真1●Hitachi Unified Storage 100シリーズの外観
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 日立製作所は2012年4月25日、ミッドレンジ向けSAN/NAS統合ストレージの新機種「Hitachi Unified Storage 100シリーズ」(写真1)を出荷した。既存機種の容量と性能を高めた上で、NAS機能を追加して統合ストレージとした。価格(以下、税込み)は、下位モデル「Unified Storage 110」で157万5000円から。

 Unified Storage 100は、ミッドレンジSANストレージの最新機種である。既存機種「Hitachi Adaptable Modular Storage 2000」(AMS2000)の後継機に相当する。AMS2000と比べて、容量は2倍、性能は3倍に高めた。さらに、AMS2000がSAN接続専用であったのに対し、新たにNAS接続機能を追加して統合ストレージとした。SANはFibre ChannelおよびiSCSI経由、NASはCIFS/NFS経由でアクセスする。

 3モデルを用意した。3.5型3TバイトのSASドライブを使った場合の最大容量は、下位モデルのUnified Storage 110で352.3Tバイト(120ドライブ)、中位モデルのUnified Storage 130で704.6Tバイト(252ドライブ)、上位モデルのUnified Storage 150で2818.4Tバイト(960ドライブ)である。

バックアップ用途に特化した重複排除NASストレージも用意

 同日、バックアップ用途に重複排除機能を搭載したNASストレージの新機種「Hitachi Capacity Optimization」の販売も開始した。5月14日に出荷する。価格は、最大物理容量77Tバイトの下位モデル「Capacity Optimization 210」で1219万1550円から、最大物理容量384Tバイトの上位モデル「同230」で1813万2450円から。

 Capacity Optimizationは、データバックアップ先として利用することを想定したNASストレージである。バックアップ容量を増やすための仕組みとして、NASストレージ全体でデータの重複を排除する機能を備える。同社によれば、重複排除の効果によって、実際の保存領域の20倍のデータを記録できるとしている。

 重複排除機能を持つ同社のNASストレージとしては、今回のCapacity Optimizationのほかにも、アーカイブ用途のNASストレージ「Hitachi Content Platform」がある。今回のCapacity Optimizationは、用途をデータバックアップに限定して重複排除機能だけを切り出した廉価版に相当する。一方、既存のContent Platformはデータの長期保存(アーカイブ)用途を指向しており、全文検索やコンプライアンスに役立つ機能などを広く提供する。

 さらに同日、スケールアウトによって性能や容量を拡張可能なクラスター型NASゲートウエイの新機種「Hitachi NAS Platform」を、2012年第2四半期(2012年7~9月)に提供開始することを明らかにした。同製品は、同社の米国子会社である米Hitachi Data Systemsが2011年に買収した米BlueArcの製品。これまで海外市場向けに提供してきたが、これを国内で提供する。

■変更履歴
第6段落で、既存のアーカイブ用NASストレージの名称を「Content Archive Platform」としていましたが、2011年2月(海外では2009年10月)に、名称を変えた後継モデル「Content Platform」に切り替わっていました。そのため、製品名称を正しいものに修正しました。以上、お詫びして訂正します。 [2012/05/07 12:15]