アマゾン・ウェブ・サービスは2012年4月24日、プログラミング言語としてJavaとPHPに対応したPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)である「AWS Elastic Beanstalk」を首都圏にある同社のデータセンター群「東京リージョン」でも開始した。AWS Elastic Beanstalkは、アプリケーションの負荷に応じて、仮想マシンの台数を自動的に増減する機能などを備えたPaaSである。
PaaSとして提供されるAWS Elastic Beanstalkの実体は、仮想マシン貸しの「Amazon EC2」やストレージサービスの「Amazon S3」、ロードバランサーの「Elastic Load Balancing」、仮想マシン台数の自動増減機能である「Auto-Scaling」などである。通常のIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)でアプリケーションを運用する場合は、これらのサービスをユーザー自身が設定する必要がある。一方、AWS Elastic Beanstalkでは、Java/PHPのアプリケーションを管理ツールを使ってサービス上に展開するだけで、各サービスの設定がすべて自動で施される。
またAWS Elastic Beanstalkでは、仮想マシン台数の上限や下限を、ユーザーが設定することも可能。アプリケーションの負荷が高まった場合でも、仮想マシンを増やしすぎないようにし、利用料金を一定額に抑えるといったことができるようになっている。
AWS Elastic Beanstalkで利用できるアプリケーション実行環境は、Javaの場合は「Tomcat 6/7」で、PHPの場合は「PHP5.3」である。ユーザーは、アプリケーションが使用した仮想マシンやストレージなどの料金を支払う。AWS Elastic Beanstalkの仕組みそのものは、追加料金を支払わずに利用できる。