写真1●Hinemos Ver.4.0の有償オプション「ジョブマップオプション」による、ジョブ監視画面
写真1●Hinemos Ver.4.0の有償オプション「ジョブマップオプション」による、ジョブ監視画面
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 NTTデータは2012年4月24日、オープンソースの統合運用管理ソフトの新版「Hinemos Ver.4.0」を発表した。4月25日に提供開始する。新版では、ジョブをビジュアル開発/監視できるようにする有償オプション「ジョブマップオプション」を用意した。ジョブマップオプションの価格はオープンだが、1ライセンス当たり100万円以下としている。

 Hinemosは、エージェント/マネージャー型の統合運用管理ソフトである。管理対象となるサーバー機(Linux、各種UNIX、Windows Server)に「エージェント」を導入し、管理サーバーとなる「マネージャー」から、ネットワーク機器(SNMPエージェントなど)とともに一元管理する。機能は大きく、システム稼働監視、パッチ適用などのデプロイ管理、ジョブ管理---で構成する。

 Hinemosの主要機能の一つであるジョブ管理は、複数のサーバー機にまたがったバッチ処理(定型業務処理)を、あらかじめ定義した条件やスケジュールに基いて実行する機能である。エージェントを導入した個々のサーバー上では、シェルスクリプトなどで書かれたバッチプログラムを用意しておく。これらのジョブ同士を連携させるジョブワークフローを定義できる。

 今回、Hinemosの有償オプションの一つとして、管理コンソールであるクライアントを拡張してジョブ管理をビジュアル化する「ジョブマップオプション」を用意した。これにより、二次元のビジュアルマップを使ってジョブフローを設計/監視できるようになった。ジョブ設計画面では、アイコンと線で表現したジョブフローを、マウスによるドラッグ&ドロップで設計できる。ジョブ監視画面では、色(緑、青、赤)を使ってステータスを可視化する。

エージェントとの通信をHTTPに変更

 新版では、Hinemos本体の機能も大幅に拡大した。例えば、エージェントとマネージャーの通信プロトコルを新規に定義して実装した。具体的には、メッセージの双方向の伝達に、HTTPを利用する。これにより、ファイアウォールをまたいで利用する場合などにおいて、ネットワーク設定を変更せずに導入できるようになった。従来は、syslogやSNMPなどの仕組みを使って通信していた。今回、これをHTTPを用いた新プロトコルへ統合した。

 新版では、性能も高めた。例えば、ジョブ管理では、大量ジョブを同時実行した際の処理性能を、旧版(Ver 3.2)と比べて10倍以上に向上させた。これにより、同社の検証環境では、500個のジョブを同時に実行させても問題なく動作したとしている。また、新版では、管理対象台数も拡大した。マネージャー1台当たり、旧版(Ver 3.2)と比べて10倍~20倍以上になる1000台を超えるサーバーを管理できるようになった。

 Hinemosの稼働環境は、以下の通り。管理サーバーであるマネージャーの稼働OSは、Red Hat Enterprise Linux 6またはOracle Linux 6。管理コンソールであるクライアントの稼働OSは、Windows 7またはWindows Server 2008 R2。管理対象に導入するエージェントの稼働OSは、Red Hat Enterprise Linux 5/6、Oracle Linux 5/6、Windows Server 2003/2008、各種UNIX(AIX 5.3/6.1/7.1、HP-UX 11/11i v3、Solaris 10/11)。