図●IIJが提供するNGNのIPv6を利用した新しいVPNソリューションの概要(IIJのWebサイトより引用)
図●IIJが提供するNGNのIPv6を利用した新しいVPNソリューションの概要(IIJのWebサイトより引用)
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 インターネットイニシアティブ(IIJ)は2012年4月24日、新しいインターネットVPNソリューションを5月7日に提供開始すると発表した。NTT東西地域会社のフレッツ光ネクスト(NGN)で割り振られたIPv6アドレスを利用することで、従来よりも通信料金が安価なインターネットVPNを可能にする。

 新しいVPNソリューションはNGNの「インターネット(IPv6 IPoE)接続」(ネイティブ方式)を利用し、さらに「フレッツ・v6オプション」を活用する。フレッツ・v6オプションはIPv6アドレスを使って、NGNユーザー同士がインターネットを経由せずに直接通信できるサービスである。これにより、IIJは拠点間でダイレクトにIPsec VPNトンネルを設定できるようにした。

 その結果、拠点ごとにインターネット接続サービスを契約する必要がなくなった。従来のインターネットVPNでは、接続する全拠点がアクセス回線サービスとインターネット接続サービスとセットで契約する必要があった。NGNでダイレクトにVPNトンネルを設定する拠点同士は、従来よりも低遅延で通信できるようになる。

 ただし、フレッツ・v6オプションを利用できるのは、NTT東西の各サービスエリアで分けられている。東京と仙台のように同一事業者のNGN内であればダイレクトにVPNトンネルを設定できるが、東京-大阪間といった事業者をまたぐ拠点同士は直接通信できない。そのため、東日本、西日本でそれぞれセンター拠点を決め、センター拠点同士は従来と同様のインターネットVPNで接続する形式になる()。

 新しいVPNソリューションは、IIJが提供する複数のサービスの組み合わせで実現する。具体的には、IIJ製VPNルーター「SEIL」シリーズと、SEILを集中制御する運用管理サービス「IIJ SMF sxサービス」を組み合わせる。東日本と西日本をまたぐ通信が必要な場合は、インターネット接続サービス「IIJ IPv6 FiberAccess/Fサービス」も利用する。

 SEILのレンタル料金は1台当たり月額3800円から。初期費用は5000円かかる。IIJ SMF sxサービスはルーター1台当たり月額3000円、初期費用3000円となる。アクセス回線はNTT東西との契約となる。ネットワーク設計・構築支援は個別見積もり。

 同様のサービスは大塚商会が2月1日に開始している(関連記事:大塚商会、ルータ運用監視の新サービス『FMS/YAMAHA IPv6VPNサービス』を開始)。NTTPCコミュニケーションズは3月22日に発表済みで、6月25日からサービスを開始する予定だ(関連記事:NTTPCがNTT NGNのIPv6接続を利用したIP-VPNサービスを発表)。