部下や周囲の力をうまく引き出し、目標に向かって団結できる組織を作るにはどうすればいいのか。第一線で活躍するコンサルタントが講演する「チームマネジメント講座」(日経情報ストラテジー主催)が2012年4月23日に都内で開かれ、「残念な人の思考法」(日本経済新聞出版社)などで知られるビジネスコンサルタントの山崎将志氏やファーストリテイリング(ユニクロ)の経理部・監査部マネジャーとして数々の全社プロジェクトを立ち上げた田中雅子氏、野村総合研究所などを経てコンサルタントとして活躍し、システムエンジニアに関する連載記事でも知られる佐藤治夫氏の3氏がそれぞれ講演した。

写真1●アジルパートナーズの山崎将志パートナー
写真1●アジルパートナーズの山崎将志パートナー
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 まず「残念な上司にならないための勘所」と題して講演したアジルパートナーズの山崎将志氏(写真1)が、残念な人の思考法とは「その人が優秀であろうがなかろうが努力はしていても成果が出ない人」と定義。“脱残念上司”へのヒントとして「仕事の成果は目標や構想の大小など主観で決まる。『これがやりたい』という事業家やリーダーに人はついてくる」と語った。

写真2●田中総研の田中雅子代表
写真2●田中総研の田中雅子代表
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 「ユニクロ流に学ぶ巻き込み術」と題して講演した田中総研代表の田中雅子氏は、ユニクロ勤務時代に取り組んだプロジェクトを披露(写真2)。例えば、経理部マネジャーだったにもかかわらず、女性向け商品のプロジェクトに参画し、当時の経営陣を巻き込んだ経験を語った。田中代表は、周囲を巻き込むには「(周囲の)あらゆる『強み』を知る」「自ら動く」「どうやったら『実現』できるのか、その方法を考えること」が重要と指摘した。

写真3●老博堂コンサルティングの佐藤治夫代表
写真3●老博堂コンサルティングの佐藤治夫代表
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 続いて登壇したのが、老博堂コンサルティングの佐藤治夫代表(写真3)。大手人材派遣会社でCIO(最高情報責任者)の経験がある佐藤代表はチームをマネジメントするに当たって、勝率よりも勝ち数にこだわるべきだと話した。佐藤代表は、勝率にこだわるマネジャーは「負けを誰かの責任にしている」としたうえで、「負けないことよりも勝つ回数を増やすことが大事」と強調した。