デジタルコーストは2012年4月24日、米Salesforce.comの企業向けソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「Chatter」と、勤怠管理/プロジェクト工数管理/経費精算などを連携させた人材管理ソリューション「チームスピリット」を発表、提供を開始した。従業員の活動を「アクティビティストリーム」と呼ぶタイムラインで記録し、そのデータを勤怠管理や経費精算などに反映する仕組みである。これらをSalesforce.comが提供するPaaS(Platform as a Service)の「Force.com」を活用して構築した。
チームスピリットはパソコンのWebブラウザ(写真1)、もしくはスマートフォン(写真2)から利用するツールである。従業員が自ら「アクティビティストリーム」に出社から退社までの活動を記録し、従業員のパフォーマンスを可視化する。そこから誰がどの業務にどの程度の時間を費やしているかが分かる。また、当初からモバイルでの利用を想定しており、位置情報なども記録できる。
従業員側に管理されているという感覚があると、こうした仕組みはうまく活用できないことが多い。チームスピリットではSNSを活用することで、そうした点を解消するという。「企業内SNSを使うことによって、楽しくポジティブに自分がやっていることを発信するようになる。やらされているのではなく、自らこういうことをやっているよ、という形で時間や作業が記録されるようになる」(デジタルコースト 代表取締役の荻島 浩司氏)。
今後はゲーミフィケーションの要素も取り入れる計画である。例えば出退勤の時間をその日のうちに入力した日が何日続いたかといった目標に対し、それを達成すればゲージの上のキャラクターが進んでいく、といった遊びの要素を盛り込んだシカケなどを用意する予定である。
デジタルコーストは、もともと受託のコンサルティング業務などを中心に事業を展開していたが、2009年にクラウドによるサービス提供事業者へと舵を切った。同社はForce.comを活用してサービスを構築・提供する専業ベンチャーとして、Salesforce.comが国内で唯一投資をしている企業である。