写真1●富士通のビッグデータ活用ソフトウエア製品群
写真1●富士通のビッグデータ活用ソフトウエア製品群
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●富士通ソフトウェアインテグレーション部門クラウドプラットフォーム開発本部長の今田和雄執行役員
写真2●富士通ソフトウェアインテグレーション部門クラウドプラットフォーム開発本部長の今田和雄執行役員
[画像のクリックで拡大表示]

 富士通は2012年4月23日、同社のビッグデータ活用ソフトウエア製品群を「Big Data Platform」「Big Data Middleware」の二つに整理し(写真1)、CEP(複合イベント処理)ソフトやテキスト分析ソフト、インメモリーキャッシュを使用した高速なトランザクション処理ソフトなどを販売すると発表した。

 同社が2012年1月に開始したクラウドサービス「データ活用基盤サービス」で使用するものと同じソフトを、ユーザー企業の社内(オンプレミス)で利用可能にした(関連記事)。

 Big Data Platformは、並列分散処理ソフトと、CEPソフトの二つで構成する。富士通は2012年2月に、並列分散処理ソフトとしてオープンソースソフトウエア(OSS)の「Hadoop」をベースにした「Interstage Big Data Parallel Processing Server V1」を発表済み(関連記事)。さらに今回、OSSのCEPソフト「Esper」をベースにした「Interstage Big Data Complex Event Processing Server V1」を発表した。OSSのEsperに、富士通の高速フィルタ技術「Shunsaku」を組み合わせた製品である。

 Big Data Middlewareとしては、高速トランザクション処理ソフトやテキスト分析エンジンなどを発表した。高速トランザクション処理ソフトの「Interstage eXtreme Transaction Processing Server V1」は、同社のインメモリーDB「Primesoft Server」の技術をインメモリー分散キャッシュとして使用する。データは異なるサーバー上に三重化してあるため、高速処理と高信頼性の両立が可能だとしている。

 テキスト分析エンジンは、「Interstage Business Analytics Modeling Server」で、インターネット上のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などのテキスト情報を分析して、SNS上である単語が頻出した場合に、次に起きることなどを予測する。

 このほか、同社のリレーショナルデータベース(RDB)の新版「Symfoware Server V11」も、Big Data Middlewareの一つとして、今回発表している。新版では、SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)に最適化した並列I/O技術を実装することで、大量データを従来の10倍の速度で格納できるようにした。

 並列分散処理のInterstage Big Data Parallel Processing Server V1は2012年5月末に出荷し、価格は60万円から。CEPのInterstage Big Data Coplex Event Processing Server V1は2012年8月末に出荷し、価格は600万円から。高速トランザクション処理ソフトのInterstage eXtreme Transaction Processing Server V1は2012年5月末に出荷し、価格は120万円から。RDBの新版、Symfoware Server V11は2012年6月末に出荷し、価格は1プロセッサ当たり160万円。

 富士通ソフトウェアインテグレーション部門クラウドプラットフォーム開発本部長の今田和雄執行役員(写真2)は「ビッグデータ関連のクラウドサービス提供とシステム構築で、早期に年間1000億円の売上高を達成するのが目標だ」としている。